おおらかに、次へ進む。

講習会に参加しないと入手できないこのガイドライン目当てに申し込んだ講習会。
講師の先生の、明快かつシンプルな解説のおかげで、すーっと頭の中に入ってきました。
もやもやしてたものが少し晴れたかな。
なるほど、そういう事だよね、と。

住宅の設計をする時、でも、考えなければいけないのはエネルギーの事だけではない訳で、それぞれの分野の正論をつなぎ合わせようとすると、必ずそこには矛盾が生まれます。
その矛盾に、どうやって折り合いをつけていくかが、これからの設計者の課題。

住宅建築は今、はっきりと、次の段階へ移行している事を肌で感じる今日この頃です。

こういう講習会に参加するとき、必ず、往復の電車の中で読み返すようにしているのがこちら。

技術や手段は日進月歩で変わっていくけれど、建築の原理原則は核として変わらず存在してるはず。
制度や流行に引っ張られるのではなく、自分の意志で取捨選択していける、強い設計者になりたいものです。

ネーミングの妙

ずいぶん前に誰かから(失念失礼!)いただいたコーヒー。
箱を開ける事もせず、ずっと仕舞ったままでした。
飲んじゃわなきゃ!と開封してみたら、
それは、やけに仰々しいネーミングのコーヒーで。

どんなブレンドやねん!!

誰から貰ったかを忘れていると、こんな失礼なツッコミも、
すがすがしくブログに書けちゃうのだ♪

夢の追想のお味がしたような気がします。

要のイロイロ

F様邸のLDK。
全長4mに渡る壁面収納家具を造ります。

このデザインと色いかんで、この建物の出来栄えが全て決まると言っても過言ではない、重要な場所。

すっごい悩みながら、
すっごい楽しんでおります。

挑む!(法律にではなく、法文に)

※同業の方へ
「火気使用室の内装制限緩和」で検索をして、この記事にたどり着く方が多いようなので、追記します。
下に掲載した図面、実は解釈が間違っております(笑)。参考にしないでください。
後日談として、結局、この物件で緩和を使うのは断念してしまったのですが、
わりと分かりやすく解説されている資料を入手いたしました。
もしご入り用でしたら、このブログのcontactからご連絡ください。
お役に立つかは分かりませんが、お送りします。(A-4 3枚、検査機関からいただいた資料です)

という事で、この先を読まれてもなんの参考にもなりませんので、あしからず(笑)。

以下本編。

*-*-*-*-*-*-*-*-*-*

建築基準法には「火気使用室の内装制限」というものがありまして、
住宅で言うと、主に、ガスコンロを使用する台所がその対象になります。
要は、火を使う部屋の内装材に燃えやすいものを使っちゃだめですよ・・という法律で、
コンロ周辺に下がり壁を設置しない限り、厨房器具が設置された場所から連続した部屋、
一般的に、LDK全体に内装制限がかかってきます。

・・・ちょっと端折り過ぎかな?(笑)
台所が最上階にある場合は対象外など、その規定は細かく定められているのですが、
すみません、今回は、その詳細については省略します。

その内装制限。2009年の4月に、一戸建ての住宅限定で緩和措置の告示が出され、
今まで部屋全体にかかっていた規制が、コンロ周りの不燃処置を強固にすることで緩和され、
火元から離れた場所で木材などの仕上材を使用する事が可能になりました。
たまたまこれまでは、この告示を利用しなくても計画に支障がなかったのですが、
現在計画中の住宅で、LDKの天井の一角に突板を張りたくなり、且つ、コンロの位置が、
この緩和を使うのにベストポジションで計画できたので、挑んでみることにしました。

結論から言うと、そんなに難しい話でも計算でもないはずなのですが、
例によって例のごとく、その法文が、
「よくぞ、ここまで分かりづらく書いてくれました!」と嫌味のひとつも言いたくなるほど難解。
簡単に理解されちゃ困るのか?とさえ思ってしまいます(笑)。
ホントに、法文解釈って難儀です。

そうは言うものの、これだけ砕けた書き方をしたつもりの私の記事でさえ、
法律に絡む内容になっただけで、いつもより堅苦しいですからね。
興味がなければ、途中で読むのが嫌になっちゃいますよねぇ・・・(笑)。

ちなみに、告示の原文はこちら (Click!) 
これを読んでると、「無理して緩和使わなくてもいっか」と、つい、心が折れそうになります(笑)。
同業の方々!緩和を使いたい時、とりあえず、この原文だけは読まない方がいいですよ。ははは。

と、まぁ、愚痴を言い出せばきりがないのですが、何はともあれ、
なんとなく「厄介そうだなぁ・・・」と思いこんでいた事に挑めたのは良かったかな、と。
まだ少し、解釈が曖昧なところがあるので、もうひと勉強してみます。

諏訪便り

諏訪に住む友人から写真が届きました。

諏訪湖の御神渡り (Click!) 
4年ぶりの観測だそうです。
その名の通り、神々しいですよね。
これはいつか自分の目で見てみたいなぁ・・・。

こうやって四季折々に諏訪便りを送ってくれるのですが、諏訪って、地域全体がパワースポットみたいな(?)独特の厳粛さを感じるんですよね。

諏訪に嫁いだ彼女がどんどん優しい女性になっていくのも、この土地の磁場の影響なのかしら?
(いや、昔が意地悪だったわけじゃないけど・・・(笑))

語彙が足らない

あっという間に2週間経ってしまったのですが。

1月の終わりに、保育園の完成お披露目会に招かれ、工事関係者のみんなでお邪魔してきました。
東京都認証保育所としてはスタートしたばかりですが、保育園としての歴史はすでに40年。
驚く事に、初代卒園生までがお祝いに駆けつけていました。
『園の歴史』としてスライド上映された子供たちの写真は、
そのまま写真集を作れてしまうくらい、どれこもこれも本当に素敵なものばかりで、
この保育園の大人達が子供を見つめ続けてきた優しい眼差しが、ヒシヒシと伝わってきました。

素晴らしいんですよ。この保育園。本当に素晴らしいのです。
だけど、その素晴らしさを、私の乏しいボキャブラリーでは全く表現できないのです。
本当に悔しい。
2週間格闘してみたけど全然まとめられず、書けば書くほどその魅力から遠ざかっていく気がするので、
観念して、「お披露目会に行った。とても素敵な会だった。理事長さんの手料理が絶品だった!」と、
その事実だけを記録しておくことにします(笑)。

宮沢賢治の小説の中の、ある風景の描写に、「なんという、きれいでしょう」という表現があります。
美しさを伝える、これ以上の言葉は存在しないだろうなぁ・・・と思います。
この表現を借りて、一言でこの保育園の素晴らしさを伝えてみようかと思ったけど、それさえ無理でした。
結局、「言葉にならない・・・」が、一番適格かもしれません。

このプロジェクトに携われた事は、間違いなく、私の誇りとなるでしょう。

R35 (・・・くらいかな?)

昨日の休日。
押入の中の掃除中、『開かずの箱』を、つい、開けてしまいました。
中身は、10代・20代の時に聞いていたCD&カセットテープ!
カセットテープ!!(笑) 嗚呼、青春の代名詞♪
中には未開封の新品カセットまで5本もありました。

新品なのに骨董品

 

あの頃、ベストテンやヒットスタジオに好きな歌手が出ると、
テレビの前にラジカセを置いて、息をひそめて録音してましたよね。
友達にテープを借りると、その子のお父さんの声が入っちゃったりしててね。
(今の10~20代の人は、書いてある事の意味すら分からないかもしれない・・・(笑))
なんとも、のどかでプププな想い出。
思いがけず、うら若き乙女時代(あったのよ!)に思いを馳せる日曜日となりました。

動物園?!

OBO*HOUSEのF家では、引っ越したら何を飼うか?で盛り上がっているようです。
当初から、犬を飼うという話はあがっていましたが、次第に奥さんは猫も飼いたくなってきて、
お子さんたちからは、ハムスターや亀も飼いたいと希望が出はじめ、
今日の現場立会いでは、ついにご主人から、
「ここに水槽(大きな甕)を置いて魚も飼いたいなぁ」なんてセリフもポロリと・・・(笑)。
いいですね~。
飼っちゃえ飼っちゃえ!全部飼っちゃえ!どうせなら思いきってロバなんかも飼っちゃえ!!

工事中に現場でお客様とお会いして、話が、その家の仕上がりについてではなく、
そこに住んでからの夢や希望、そこでの生活への妄想に及ぶ時が、
私達つくり手にとっての至福の時間となるのであります。本当にうれしいんですよ。
Fさん達の楽しい会話を聞きながら、その脇で、監督さんや大工さんが見せてくれる
嬉しそうな笑顔がなによりの証拠。今日もいい時間を過ごす事が出来ました。

相変わらず、不思議なくらい穏やかな空気の中、工事は順調に進んでおります。
今日は写真を撮りまくろうと、昨夜、デジカメの充電も済ませてスタンバイしていたのに、
現場では、バッグからカメラを出す事さえ忘れて話し込んでしまいました。
帰り道、写真を撮らなかった事に気づいた時の後悔ったらもう・・・(笑)。

フローリング。後攻「ウォールナット」の部も素敵に仕上がってました。
そんな写真達は、またあらためて。

節分

今年も、大家さんと一緒に豆まき。

記録的な豪雪に見舞われている方達を思うと、ちょっと忍び足になりますが、春に向けての大きな一歩! 
早く、日本中が暖かくなりますように・・・。積もった雪が、静かに溶けていきますように・・・。

 

いろいろ思う。

佐藤初女さん著の『いのちの森の台所』。
様々な悩みや問題を抱えた人たちを受け入れ、
ただ黙って話を聞き、心のこもった食事を与える。
そんな活動を半世紀以上も続けている女性です。

この本には、ただひたすら、今、この時を大切に生きる事、感謝の気持ちを持ち続ける事、そして、食事の大切さが、繰り返し書かれています。
なぜ、こんなシンプルな生き方を実践するのが、
こんなにも難しいのだろう。

この本を読んでいる最中に、友人の急逝の知らせを受けました。懲りもせず、またいつでも会えると信じて疑わなかったから、伝えそびれていた「ありがとう」だけが残されてしまいました。
本当に、この世は無常です。そして、残酷です。

頭でっかちで口先ばかりで、なんにも実践できずにいるけれど、自分にとって大切なものが何なのかが、少しずつ明確になってきている気がします。歳を取るって、こういう事なのかもしれませんね。

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