2010.12.1
今年の春、以前リフォームをしたお客様・Hさんからの依頼で、インナーサッシを取り付けました。
いいタイミングで住宅エコポイントの運用が始まっていたので、すぐに申請準備を整え、あとは交換商品を選ぶだけ・・・の状態で、早8ヶ月(笑)。
交換したい商品が決まったと、本日、Hさんが事務所に来てくれました。
無事に書類一式をお渡しして、ミッションコンプリート!
エコリフォームに限って言えば、難しい事は何もありませんし、窓の断熱性能や結露に悩んでいる方は、この機会に思い切って、インナーサッシの取付やガラス交換に踏み切っても良いかもしれません。
制度の内容はこちら (Click!) でご確認下さい。この制度の期間は23年12月まで延長されています。
この記事を書きながら、『そう言えば、この取付工事をしてる頃に、エコポイントについて書きかけた記事があったような・・・』と思い出し、探してみたらありました。書いてました。
いい機会なので掲載してみます。
その記事以外にも、お蔵入りになってる記事に、ある傾向がみられておもしろかったので、まとめて3つアーカイブ。(全部中途半端だし、エコポイントにも関係ありませんが・・・(笑))
□4月のお蔵入り記事より
エコポイントに限らず、最近は『環境保護』の名の下に、様々な制度が誕生していて、そこには必ず、おいしそーなニンジンがぶら下がっています。
その事自体は、お客様の利益になることなので基本的に歓迎ですし、そうしないと、その制度が定着していかないというのもよく分かります。
ただ気になるのは、そのニンジン欲しさに、それらの制度の方に軸足を置いて家づくりをしてしまうと、自分が本当に欲しい家や本当に必要な家を見失ってしまいますよ!という事。
魅力的なアナウンスに惑わされ、お得感優先で物を選び、買う。
その結果が、最終的にゴミを増やしてる事は忘れないようしないとね。
ネットで買い物をする時に「あと○○円で送料無料」に心惑わされ、いらないものまで買いそうになる自分への反省を込めて(笑)
□6月のお蔵入り記事より
今の時代に家を建てようと思ったら、
工法・コスト・設備や仕様の種類から始まり、
誰に頼むか、どの制度を利用するか等など、
検討しなければいけない事が山ほどあって、
ついでに、その一つ一つの選択肢があまりにも多すぎて、
おまけに、ネットや本などで「あれがいいよ。これは良くないよ」
と、てんでバラバラの情報が錯綜しているから、
お施主様は大変だろうなぁ・・・とつくづく思う。
スタート地点に立つまでに疲れてしまわないかと、つい案じてしまいます。
□先月のお蔵入り記事より
某建材メーカーのHP。
製品情報のページを見ていたら、全ての商品それぞれに、
ツイッターのアイコンがついているのを見つけて腰を抜かした。
必要なのか?それ。
ここでまた、良いの悪いのと意見が飛び交ったら、
ますます物を選びにくくなるのではなかろうか・・・。
*
どうやら私は、物を選びにくくなったこの時代を、相当憂いているらしい・・・(笑)
でも、絶対に必要だと思うんです。
「それは本当に必要か?本当に大事な事か?」と、いちいち自分に問いかける事って。
特に、家を建てるお客様はみんな、何千万という金額を目の前にして金銭感覚も麻痺します。
その中で、5000円でも10,000円でも、意味のある使い方をしてもらわなければ・・・という責任を感じます。
今、新築を考える人からは、住宅エコポイントや長期優良住宅の制度利用について必ず聞かれます。
まず、本当にご自分達が必要とする設備・性能を整理して、それを取り入れる事で利用できる制度があれば、申請しましょう。ニンジン欲しさに不要な大根まで高値で買う必要は無いし、貰えるニンジンを逃す必要もありません!
模範解答ではないと思うけど、これが私の答えです。
このスタンスでやっていく為には、きちんと制度の本質を理解してないとダメなんですよね。
まったくもぉ・・・。ホントに勉強しなければいけない事ばかりです。
もう少しシンプルに仕事をさせてもらえないだろうか・・・。
結局、これが偽らざる本音だったりする(笑)。
2010.11.30
計画進行中の2世帯住宅。
一ヶ月前。
ほとんど図面がまとまり、確認申請に進もうか・・・という時点で、
とんでもない事実が判明し、敷地面積が9㎡近く小さくなりました。
とてもレアなケースだった事は事実ですが、とにかくこれは私のミス。
思い込みと調査不足で、施主のKさん・Tさんにはご迷惑をかけてしまいました。
もともと、100%の容積率を目一杯使いきって、
それでもいろんな所で妥協が必要だったのに、さらに9㎡削られる。
一度は、もう希望を全て叶えてあげることは無理かもしれない・・・と落ち込みました。
でも、答えはちゃんとあったんです。
敷地の形や条件が若干変わった効果は大きいけれど、
小さくなったにも関わらず、以前に比べて格段に良くなりました。
完全分離・長屋形式の二世帯住宅。
延床面積30坪の中に、水廻りも2つずつ(トイレは計4個!)、階段ももちろん2つ。
そして、各個室が5部屋あって、LDKも2世帯分。玄関だけが共有です。
当然、各部屋の面積はとても小さいですが、全ての部屋が、
その数字からは到底想像できない、居心地の良い空間になりそうです。
常々、お客様に「帖数に騙されてはダメですよ」と話してきましたが、
部屋の広さは数字では表せないという事。確信になりました。
自分のミスを棚に上げるつもりは全く無いけど、
もし、最初からこの小さな敷地を与えられていたら、
おそらく、長屋形式の2世帯住宅は諦めてもらってたと思うんです。
でも、簡単には「無理」と言えない状況の中、前よりもさらに良いと思えるプランが出来たのは、
ここに至るまで積み重ねてきた打ち合わせがあったからこそ。
そして、お客様の理解があったからこそ。
今日の打合せで間取りは確定。
こんなに時間をロスさせてしまったにもかかわらず、
「完成したら嬉しくて泣いちゃうかも!」と言って喜んでくれるKさんTさん一家。
必ずや泣いてもらえるよう、精一杯頑張ります。
本当に申し訳ありませんでした。そして、ありがとうございました。
少し多忙な日々が続き、余裕無くバタバタとしていた私に、
強烈なゲンコツを落として戒めてくれた事も含め、
やっぱり神様は居るな・・・とつくづく感じた今回の出来事です。
2010.11.26
宮沢賢治の「よだかの星」。
最近、なぜか無性に読んでみたくなっていた。
で、打ち合わせに行く前に本屋に立ち寄り、購入。
あらすじは知っていたけど、あらためて読んでみて、
うーん・・・結構へこむ。
昔は小学校の教科書に載っていたらしい、この童話。
たしかに愛は満ちているけど、
こんなに悲しくて、こんなに救われない物語を教材に、
当時の先生は、子供達に何を伝えていたんだろう。
こんな”どろろ~ん”とした気持ちで打ち合わせに臨んで大丈夫か?と不安にさえなったけど、
施主のFさん夫婦の明るさで、ちゃんと現実に引き戻された(笑)。ありがとうございます。
予想以上に直球の残酷さだったけど、今、読むべきタイミングだった。そんな気がする。
2010.11.25
シャッターの鍵の抜き差しが硬くなったので、メンテナンス。
玄関ドアなどの鍵が抜きづらくなった時、CRCのような潤滑油で対処する方は多いと思いますが、のちのち事態を悪化させる事もありますので、避けた方がいいですよ。
鉛筆の芯がベストです。
この写真は芯粉を使ってますが、普通に鉛筆を手に持って、鍵に芯をこすり付るだけでOKです!
2010.11.22
高校時代の同級生でもあり、自宅の設計をさせてもらったお客様でもある友人の長男坊、S太君。
「家を建てたい」と相談され、一緒に土地探しを始めた頃は、まだバギーに乗っていたあの子も、来年はもう中学生。嘘みたいです。
小学校にあがると同時に始めた少年野球も引退の時期が来て、昨日、最後の試合があると聞き、応援に行ってきました。
試合は負けてしまったけど、大活躍だったね。
エースのキャプテン。S太、かっこよかったよ!
自分の部屋が欲しくなったら、いつでも個室に出来るようにスタンバイしている、2階のオープンスペースも、いまだそのまま。もうすぐ中学生になるというのに、自分の部屋なんていらないんだそうですよ。
主寝室以外にまともな間仕切りを設けていない家で育ったこの子には、個室という概念がないのかも。
あと何年か経てば、秘め事もでき、反抗期も迎えるのでしょうが(今のS太からは想像できないんだけど・・・)、家を建てる時に、親である友人夫婦が願ったとおり、のびのびと、素直で心の広い、本当に穏やかな少年に成長しています。
これからも、あの家でたくさんの想い出をきざみながら、素敵な青年になってくれますように。
子供時代を思い出す時の原風景に、私が設計した家があるという喜びと責任。
友人の家に限らず、いままで家づくりのお手伝いをしたどのご家庭でも、
お子さん達の節目節目の報告を聞くたびに、それをかみしめています。
2010.11.20
このBlogページで一度に読める記事の数を、3つから7つに増やしてみました。
3つ並んだ記事の全てが、昨日のサンマみたいにくだらない話だけになったら、
ちょっと印象悪いよね・・・。仕事してないみたいだよね・・・。
と不安になり、いやらしい見栄を張ってしまった次第です(笑)。
しかし、設定変更してみて気づきました。
7つ並んだ記事のほとんどがくだらない話になる可能性がある事に・・・。
やぶへびだったかもしれません(笑)
2010.11.19
サンマの話。
今年の夏、猛暑の影響でサンマの価格が高騰するって大騒ぎしてましたよね。
「こりゃ、今年の秋はサンマを食べられないぞ・・・」
と、小市民らしく憂いておりましたが、ふたを開けてみたら、
全然高くなかったんですよ。いつも行くスーパーのサンマ。
でもね、あれだけ「高くなる」と言われていると、
安ければ安いで「なぜ安い?」と不安になって、結局買えなかったんです。
しかし、このまま秋を終わらせてはいけない・・・と思って、
先日、あわてて初物をいただきました。
なんか、何から何まで貧乏臭い、今年のサンマの思い出。
ホッケの話。
ホッケの開きって、両側の身に中骨が付いてるってご存知でした?
私は、わりと最近気がついて、とても驚いて、で、調べてみました。
単純な話で、ホッケを、中骨の中心から見事に真っ二つに裁断できる機械があるんだとか。
「すごい。これは、ホッケの骨を食べやすくする為に開発されたんだ!」
と本気で思ったのですが、そんな記載は見当たりません。
ホッケの中骨が大好きで、いつもボリボリ食べてたんですけど、
普通、残す部分なのでしょうか? 絶対みんな食べてると思ってました。
金曜日の夕方。ぽっかりと時間が空いたので、どうでもいい事を書いてみました(笑)
これから、保育所の運営委員会の方達と打ち合わせです。
市の審査会が押し迫ってきて、喧々諤々。
保育所側の人たちだけでなく保護者やOBの方達も参加して、みんなでつくる保育所なんですよ。
関わる人数が増えると、ともすると意見が分かれてまとまらなくなりがちですが、
見事なまでにみなさんが、ちゃんと同じ方向を見据えています。
本当にすばらしい保育所です。
それでは行ってきます。
2010.11.18
昨夜はちょっと早閉まいをして、
葉加瀬太郎のコンサートへ行ってきました。
なんだろう。
まるで、ビタミンも鉄分もアミノ酸も、
おまけに精神安定剤までもが入った、
マルチサプリのようなステージで、
心と体に染みています。
彼の曲を聴いていると、
バイオリンって、こういう美しい旋律を
奏でる為に作られた楽器なんだな・・・
と、あらためて感じますよね。
2010.11.16
作詞家の星野哲郎さんの訃報を伝えるニュースの中で、
氏の代表作を何曲か流していたのですが、
その全ての曲を熱唱できる自分に驚きました(笑)
演歌には別に興味はないのですが、
鳥羽一郎さんの『兄弟舟』を耳にするたびに、
この歌の力強さは一体なんなんだ?と思ってたんです。
あの曲が星野哲郎さんの作詞だという事も昨日初めて知りましたが、
氏がかつて船乗りだった事、
しかし病気で諦めざるを得なかった事、を初めて知り、
妙に納得してしまいました。
実体験を経て表に出てくる、その人の根幹にある言葉の力は、本当に強いですね。
星野さんのお顔さえ知らなかった私ですが、
ご冥福をお祈りしたいと思います。
余談ですが、演歌に興味は無いと言いつつも、
全てのジャンルの歌謡曲の中で、一番好きな曲は、
『北国の春』だったりします(笑)
だって、本当に日本語が美しいんだもん。
2010.11.15
先月から始まった “近山スクール東京2010” に参加して、
木造住宅の実践講座を受けています。
先週の土曜日が2回目の講義。
『トラブルから学ぶ「長持ち」する家の基本』がテーマで、
雨漏りや内部結露、そしてシロアリやカビによる
トラブルの実例とその対策を勉強してきました。
4時間の講義で、実際の被害事例の写真を、これでもか!というくらい見せられて、講義が終わる頃には、参加者はみんなげっそり・・・(笑)
建築業界にいる者にとっては、心霊写真より怖い画像のオンパレードでした。
でも、内容の濃い、とてもおもしろい講義でした。
特に、白蟻の生態や弱点の話とカビにまつわる話は、目からウロコの連続。関連書籍を読むだけは知りえなかった事がたくさんありました。やはり、何事も敵を知るところから始まるのですね。
白蟻については、相手が生き物である以上どうしても絶対的な対策はなく、結局は、定期的な点検をお願いするしかないのが実情です。
薬剤の効果と人体への影響は、考えれば考えるほど答えが出せないし、かと言って樹種選択に頼るだけで済む甘い問題ではないし、なにより、複合的な要素が組み合わさって起こる被害ですから、住まい手に安心を与える為に何が出来るか、何をすべきか、ずっと頭を悩ませています。
でも、この講義を受けて、少しだけ勇気が湧いた気がします。
学んできたことをしっかり咀嚼して、自分のものにしていかねばなりませんね。
次回は建築環境の講義です。私にとってはまだまだ不勉強の分野。しっかり学んできます。
今年の夏、材木や建材の選び方で悩みすぎて、完全にスパイラルに嵌った時、真剣にその悩みを聞いて、丁寧なアドバイスを下さったK社長に、こういうのに参加してみるのもいいかもしれませんよ・・・と勧められたこの講座。あらためて、紹介していただいたことに心から感謝です!