月別: 2012年12月

From here on !!

自営業の人や、設計・デザインをやってる人は、みんなそうだと思うけど、
ワタクシも例に違わず、連休下手なんですよね。
世間が休んでる時の方が仕事が捗ってしまうので、ついつい、
「GW明けにお渡しします」とか「お盆明けくらいには仕上げておきます」と約束してしまいます。
でも、結局のんびりしちゃって、予定通りには捗らなかったりするんですけど・・・。
 
年末ともなると、他にも雑用が山ほどあるので、
「もう今更ジタバタしても仕方ないっ!!」とあきらめてしまう訳でして、
来年の「年明け早々」のお約束が、わりと素敵に貯まってしまいました(笑)。
本当に悪い癖です。

さっき、事務所の大家さんと話をしていて、
「29日に大掃除をして今年は終わりにします」と言ったら、
「そんな掃除なんか俺がやっといてあげるから休みなさいよ」と言われました(笑)。
大家さん大好き♪ できる事ならホントに頼んでしまいたいくらいです。

という事で、アトリエ朋の業務は明日が仕事納めになりますが、一足早く、ブログ納めといたします。
(前置きが長すぎるのも悪い癖(笑))

今年は、本当に出会いの多い1年でした。
特に、設計を生業としている方達とのたくさんの出会いは、その一人一人から大きな刺激を受けました。
振り返ってみれば、ジェットコースターのように気持ちの浮き沈みの激しい1年でもありましたが、
最後に来て、なんとなく、次へ進む手掛かり足掛かりを見つけられたような気もします。
来年は、ほんの少しだけ、
目的地に向かう為の進路を変えるべく、舵を切ってみようかと思っております。

こんなご時世ですから、正直、不安だらけです。
それでもね、どんな状況であろうとどんな時代であろうと、私がやりたい事は結局ひとつだけなので、
来年も、一人でも多くの人の「住まい」に関わっていけるよう、頑張っていきたいと思います。
とにかく、笑顔で。 ”みんなHappy!” を目指して。

今年も1年お付き合いいただき、本当にありがとうございました。
お身体ご自愛の上、どうぞよいお年をお迎えください。

2012年のすべてに感謝をこめて。 

想いの伝承

先週、無事に引渡しを終えた姫ハウス。
Oさんの引っ越しもすべて終わり、年明け早々、旧家は解体されることになります。
もちろん、新居の完成は喜んでくれているのですが、
住み慣れた家を手放す事になったのは、もともとは本意ではなく、外部からの事情があっての事。
寂しい思いは、引っ越しが近づくに連れて強くなっていたと思います。

思い出の詰まったこの家が、ただ壊されただけではなかった。。。という事実を残してあげたくて、
おせっかいを承知で、ある方に相談。
家の中の何か一つでも、形を変えて新しい使い手のさんの元で、その命を永らえさせてあげられたら・・・
という想いを受け止めて下さり、全力で協力していただきました。

ご自分のお店では引き取れないものも、同業のお仲間に声をかけてくれて、結果、軽トラックいっぱいになるくらいの荷物を引き取ってくれました。
正直、特別価値のあるものはひとつもなかったのですが、それはもう、フックやドアノブ、電気のソケットなど、取り外す方が手間ですよね?という細かいものまで拾い上げて下さって、それらを「次のお客さまの生活の中で長く使ってもらえるような商品に仕上げ直しますね・・・」と。泣けてきます。

Oさんのお母様がどうしても手元に残しておきたかった家具もきれいに仕上げ直して下さって、Oさんに、本当に喜んでいただくことができました。

「価値」ってなんだろう。。。って思いますよね。
まだまだこの国では、ものを大切にする事や伝承していく事において、
言葉や上っ面の思想だけが独り歩きをしている感があり、
とくに建築業界では、その重要性を、
制度を整える事でしかアナウンスできなくて、本質が置き去りになっているのが現状ですが、
本当は、もっとシンプルな事なんだよと、あらためて教えてもらった気がします。

面識もなかった私からの依頼に、快く、全面的にご協力してくれたのは、
小金井市に店舗を構える「antiques-educo」さん。
こんな風に、モノを、そして人の気持ちを本当に大切に扱ってくれる人と出会えただけで、
なんとなく、自分の未来に明るい光が差してきたような気さえしてきてしまいます(笑)。
大切にしたいご縁です。

キュート♡

基本、部屋の内装はいつもシンプルに仕上げていますが、たまにこんなお部屋を提供できると、こちらまでワクワクするものです。

夏にリフォームをしたSさんち。
小学1年生のK嬢の部屋は、彼女が選んだいちごの壁紙に合わせ、もう一面を優しいサーモンピンク、他の二面と天井を白でまとめ、キュートなKちゃんによく似合う、とってもかわいらしい部屋になりました。
久しぶりに様子を見に行ったら、家具も揃って、すっかりお姫様のお城。

数年後、壁紙を貼りかえる依頼が来るのかな?
またひとつ、子供の成長を確かめる仕掛けが完了!

Sさんからお土産に頂いた手作りパウンドケーキ(美味!)に付いていたリボンを、我が家のドラ猫に装着。
これぞ馬子にも衣装。バカ親大喜びです(笑)。

歩くたびに鳴る鈴の音が優しくて、思いがけなくクリスマス気分を味わえました♪
メリークリスマスでございます。

一年点検で見えたもの

工務店さんと一緒にIさんのお宅~AZiTOへ。
一年点検です。

今まで、施主の要望をしっかりと受け止め、咀嚼し、形にする事に、ある程度の自信を持ってこの仕事をしてきましたが、このIさんの家は、設計中から引き渡した後までずーっと、「この家族が求めていた家は本当にこれだったんだろうか?」という不安を払拭できずにおりました。
Iさんが満足してくれなかった訳でもなく、出来栄えが悪い訳でもなく、それどころか、つくった私達がこの家に住むIさんを本当にうらやましく思うくらいなのに、どうしてそんな気持ちを抱え続けたまま立ち止まっているのか、その理由がどうしても分かりませんでした。

でも、久しぶりにお邪魔して、つくづく、心底、そんな不安は杞憂だったのだと思い知りました。
庭先にも、玄関ポーチにも、大きな土間にも、薪ストーブのあるリビングにも、
寝室にも2階のオープンスペースにも、とにかくすべての空間に、
Iさん達でなければ出し得ない空気感が漂っていて、それが本当にうれしくて・・・。
思わずIさんに、
「今、初めて、私はIさんの為に家を設計してたんだと確信できました!」と伝えてしまいました(笑)。

何年か後に振り返った時、やはり2011年という年は私にとって大きな分岐点になるのかもしれません。
震災や身内の大病を経験して、自分の中の価値観みたいなものが一度崩壊したのだと思います。

人が幸せでいるために必要なものは何なのか?
そんなに多くの物が必要なのか?
家って何のためにあるのだろうか?
どんな家に住んでいようと、家族が元気で一緒に居られればそれで十分じゃないか?
私達つくり手の自己満足の為にお客さんに余計なお金を使わせているんじゃないか?

そんな事ばかり考えていた2年間でした。
これらの問いに対する答えは、多分この先も明確には出せないのだろうと思います。
それでも今、強く思うのは、
住む人の、工務店さんの、そして自分自身の力と想いを、もっともっと信じたい・・・という事。
2013年に向けて一歩踏み出そうとしている私の背中を、また、お客さんに押してもらったみたいです。

Iさん、ありがとう。大きな気付きを得る訪問となりました。
あらためて、おふたりの”サバイバルな人生観”(笑)に圧倒されましたよ!
また、笑いが取れるおみやげを見つけたら、それを持って遊びに行きますね~。

洗い出し ならぬ・・・

Oさんちの玄関とポーチは洗い出し仕上げ。

通常の洗い出し仕上げはホースで水をまきながら仕上げていくのですが、今回は、周辺造作の保護の為、こうやって職人さんが水を含ませたスポンジで丁寧に丁寧に拭き取っていってくれました。

寒い土間。冷たい水。
現場の職人さんには本当に頭が下がります。

ドスンと上棟

今年最後の棟上げ。
H様邸~かっちゃんち、上棟しました。

幹線道路沿いに建つこの家は、道路側の屋根を豪快に切り下げた大屋根になっていて、おそらく、かなりシンボリックな建物になると思います。
どっしりしてるんですよ。
普通、棟上げの時って、ニョキニョキっと建物が生えてきたように姿を現すのですが、この家は、空から落っこちてきてドスンと土に埋まっちゃったみたいに現れました(笑)。

完成は来春。その頃にはもう、2013年も1/4終わっちゃってると思うと空恐ろしい・・・。

成長

市の健康診断を受けてきたら、去年より身長が2ミリ伸びてました。
まだまだ、仕事も体も発展途上のようです(笑)。

私の成長はどうでもいいのです。

一昨年の3月に引き渡した住宅。
当時1年生と幼稚園児だった兄弟の部屋はオープンスペースのままで仕上げ、
お兄ちゃんが中学生に上がる頃に間仕切りましょうという事となっていたのですが、
予想より早く、そのお兄ちゃんが自分の空間が欲しくなり、
なにより、子供たちの成長とともに兄弟げんかの迫力も増してきたようで(笑)、
家族の静かな生活を守る為にも、もう仕切っちゃおうかな?との相談を受け、
お邪魔してきました。

Kさんち。家も、家族も、植物も、みーんなのびのびと成長を続けています。
ご夫婦の人柄の現れなのでしょう。この家に入ると、
余計な力が抜けて気持ちが解放されるのです。

で、子供部屋。
連絡をもらった時は、完全に個室を作ってしまう方向だったのですが、その後の子供会議で、
やっぱりまだまだ、一緒に遊べるスペースも残しておきたいし、
寝る時は2段ベッドで寝たい・・・と話がまとまったみたいなので、完成形の一歩手前として、
お兄ちゃんブースを作ってみようか?という提案をして持ち帰ってきました。
さて、どうしましょうか。
この先の子供たちの成長を妄想しながらプランをたてるのは、本当にワクワクする作業です。

今のこの子供部屋、大好きなんですよ。
梁下の壁には、モイス を採用したのですが、繊細にも無骨にも感じられるモイスの質感が、
子供部屋ならではの、いい意味での雑多な感じにうまく融合してくれています。

個人的な好みの話になりますが、家でも家具でも小物でも、
普段使いの中で、緊張して丁寧に扱わなければいけないものにあまり価値を見出せなくて
(もちろん、そうあるべき特別なものは別ですよ)、
そんな気持ちで設計してるからか、引き渡した後にお客さんから
「なぜかこの家、散らかってても全然ストレスにならないんですよ」
と言ってもらえる事が多く、それが私の自慢だったりします(笑)。
とは言え、みなさんホントにきれいに住んでくれているのですが・・・。

家はおおらかなものであってほしい。心からそう願います。
特に子供の成長過程では、
家そのものが子供を育ててくれる部分がとても大きいと思っているので、

これからも、息苦しくない家を、息苦しくない精神状態でつくっていきたいな・・・。
と、気持ちを新たにしたお宅訪問でありました。

月別アーカイブ