エール

時々、このブログを読んでくれてる人から、
今まで書いてきた記事の中で、「これぞ!」と気に入ってるものはあるかと聞かれます。
私は結構このブログのファンなので(笑)、気に入っている記事はいろいろあるのですが、
そう聞かれて、最初に思い浮かぶのは、3年前に書いたこの記事なんです。

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Fri.08.13.2010

■ 歩いても間に合うはず

高校生の時のこと。

朝の登校時間って、駅から学校までの道は、
同じ学校の生徒達でなが~い行列ができますよね。
ある日、クラスメートの男の子達が、
いつもと全く同じ時間での登校中に、
「やっべぇ、遅刻だよ。1時限目に間に合わないよ!!」
と言いながら、その行列の中を走り出してみたんですって。
ただのいたずらなんですけどね。

すると、見事なまでに他の生徒達が、
「え?え?」という顔をしながら、釣られて一緒に走り出したそうで、
本当におもしろかったと教室で話してくれました。

愉快な話としてずっと記憶に残っていたんだけど、
なんだか、最近の世の中の流れって、
これと全く同じことが起こってる気がします。

一体誰が「間に合わないぞ、急げ!」と走り出したのかは分からないけど、
いい加減、そろそろ、騙されてる事に気づいて走るのを止めないと、
みんな息切れして、先に進めなくなっちゃうよ。

前に、吉本隆明さんが、
「現代人のストレスは、この時代のスピードについていけない事から生まれてる」
といった主旨のことを話していたけど、その通りだと思う。
最近のニュースを見てると、本当にその通りだと思います。

立ち止まって考えてみる。答えが出るまで迷ってみる。
その為に必要な時間を奪われてしまってる気がしてなりません。

置いていかれるのを怖がらずに、時々は立ち止まりながら、
自分にとって心地いいスピードと歩幅で歩いていきたいものです。

以上、自戒も込めて日々雑感。

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またちょっと、抽象的な書き方になってしまうのですが、
かなり長い間、暗闇の海の上で迷子になってるような感覚があり、
自分が今どこに居て、どこに向かえばいいのかが分からなくて、
必死に灯台を探しながら、漂流してるみたいだったのです。
本当に、よく飽きもせず、悩み苦しみ続けていたもんだと感心するくらいです(笑)。

でも、最近やっと、目の前の霧がぱぁ~っと晴れてきて、いろんな事が整理できた時、
「あぁ・・・ささくれてたなぁ・・・」という気持ちが最後に現れました。

そうはなるまい!絶対そうはなるまい!!と強く思っていたはずなのに、結局私も、
市場の変化、国策、流行、業界の動向、世の中の景気や事務所存続への不安・・・
といったよろずのものたちに、引きずられていたんですよね。
こんな時代だから仕方がないと言ってしまえばそれまでですが、
そーとー焦ってたんです、知らず知らずのうちに。
そこへ、いろんな出来事が重なって、気力も体力も無駄に消耗してきてしまいました。
ひとりで仕事をしているという心細さを、痛切に感じる日々でもありました。

やっと霧が晴れたきたからといって、この先順風満帆♪といくはずもありませんが、
3年前の自分の言葉に励まされて、心地いいスピードと歩幅を取り戻したいと思います。

設計の仕事がどんどん煩雑・複雑になり、
その中で、頑張って勉強をしているつもりではいるけれど、
積み重ねてきた経験や知識に対する驕りに加え、
体力的に無理が利かない歳になったなぁ・・・という言い訳までをも隠れ蓑にして、
どこかで、ラクな方へラクな方へと逃げてた部分も多分にあるのではないかしら?
という反省も、正直に書き添えておきましょう。
数年後の自分の為に。

結局、自分の灯台になれるのは、自分だけなのかもしれませぬ。(今日の格言(笑))

つくり手にとっても建て主にとっても、家づくりがとても難しい時代になりました。
だからこそ、これからも、ゆったりとした気持ちで穏やかに笑いながら、
建て主さん、工務店さんと一緒に、
本当に価値のある家を丁寧につくっていきたいと心新たにした、2013年の初秋でございます。

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