2014.10.24
独立間もない頃にリフォーム工事のお手伝いをしたFさんの家。
ご主人に先立たれ、一人で暮らしていた家を、思いきってスケルトンリフォームする事に決めたのは、Fさんが70歳の時でした。もともと、暗くて動線の悪い家だったので、なおさら、生まれ変わった我が家を本当に気に入ってくれました。
Fさんの習い事のお友達が、「急に人が変わったみたいにイキイキしてきて、まるで、いつもスキップして歩いてるみたいに、本当に楽しそう」なFさんに、一体何があったの?と問いただしたら、家をリフォームしたからよ♪と答えたそうで、「それなら私も!」と、その後、立て続けにFさんのお友達の家のリフォーム工事をやらせてもらったのです。
「家は人生を変える」と確信したお仕事でした。
その後も今に至るまで、不思議なくらい、アトリエ朋はシニア世代のお客様の家づくりに携わらせて頂く機会が多いのですが、その都度、自信をもって提案出来ているのも、この時の経験があってこそなのだと思います。
そのFさんが、22日に永眠されました。
昨年末から入院されていて、結局、一度も退院する事が出来なかったのですが、Fさんの娘さんからのメールに「約10ヵ月ぶりに、帰りたかった帰りたかった大好きな我が家に帰ってきました。」と書かれていて、言葉では表せない気持ちが込み上げてきました。
設計者に出来ることなんてたかが知れています。
どんな家だって、その人にとっては大切な我が家で、良い家も悪い家も無いんだと思うのです。
だから、先に書いた「家は人生を変える」という思いが、お客さんには重たく、時には鬱陶しいのではないかと不安になることもあります。おこがましいと感じる事もあります。
でも、まだうまくまとめられませんが、「家をつくっているんだ」という自覚が、新たに芽生えた気がしています。その自覚だけは、しっかり持っていないとなって思います。
大切な事を教えてくれるのは、いつだって、お客様です。