色 素材 空間 組み合わせの妙

国立のSg邸が完成しました。

設計が始まる時に、デザイナーのご主人から出された家づくりのテーマは『原宿』でした。
「抽象的なのでイメージが伝わるか分からないのですが、原宿をテーマにしたいんです。
 青山とも違う、渋谷とも違う、あの『原宿』という街をイメージして家づくりをしたいです」と。
確かに抽象的なのですが、言わんとしていることが不思議とストレートに伝わってきたのです。

そして、最初に記入していただいたインタビューシートには、ご夫婦それぞれが、
『ライフスタイルの表現の場であるということを大切にしたい』
『子供たちが自分の『好き』を大切に過ごせる家にしたい』と書いてくれていて、
読んでいるだけで、この家族のために提案すべき家の形が最初からくっきりと輪郭をもち、
なんの迷いもなくファーストプランを提出できたんですよね。
湧き出る感じでした。

このお施主様の要望をどう解釈したのかを、私自身もうまく言語化は出来ないのですが、
完成したこの家に、施主のSさんが本当に満足してくださっているので、
言葉にならない共通言語を持ってこの家づくりに臨めたのかなと思います。

抽象を具体に翻訳する。
おそらく、設計という仕事の根幹はこの作業に尽きるのだと思うのですが、
その醍醐味を存分に味わえたプロジェクトだった気がします。
今は、家づくりのヒントとなる情報があちこちに散りばめられていて、
ちょっと検索すれば、すてきな施工例の写真もいくらでも拾えてしまいますが、
知らない人のためにつくられた家の写真をスクラップするよりも、
もっと、ふわ~っとしたままの自分のイメージをそのまま言葉で伝えてしまった方が、
より自分が求めている家に近づけるのかもしれませんよ、と、
これから家を建てる人には声を大にして伝えたいです。

多少の微調整はあったものの、ほぼファーストプランのままこの家は完成を迎えました。
敷地面積が15坪、第二種高度地区の北側斜線も掛かってくる限られたスペースの中に
ご要望の間取りを入れるため、かなりシビアな断面計画での提案でしたが、
家の中の移動がいちいち楽しい、本当にSさんご家族にお似合いの家になりました。
まさしく、自分たちの『好き』を大切にしたライフデザインの表現の場になったのではないかと思います。

Sさんの引越しが終わり、生活が落ち着いたころに、
あらためて竣工写真を撮らせていただく予定ですので、
その頃には整っているであろう(笑)Worksのページで改めてご紹介できればと思います。

明日、お引渡し。
娘の嫁入り前夜の気分です。

 

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