2023.1.16
木造住宅の低コスト耐震補強の講習会へ。
耐震診断・耐震補強については、ずっとジレンマを感じています。
耐震診断を受けるまでは、ハードルも低く、受けてみる人はそれなりにいらっしゃる。
でも、自分の家が『倒壊の恐れがありますよ』と分かったところで、
耐震改修に進める人は本当に少ないのです。
理由はいろいろ。
行政からの助成を利用しても尚、費用面での負担が大きく踏み切れないケースもありますが、
それ以前に、東京都のほとんどの市区町村では、助成を受けられる条件そのものが厳しい。
そうして結局、自分の家は倒壊する恐れがあるという不安だけを抱えたまま、
そのまま住み続けるしかないケースが本当に多いのです。
私自身は今のところ、行政の助成がらみの耐震診断・改修のお仕事は請けていないのですが、
大規模リフォームのご相談時には、当然、最低限の耐震補強の提案はしています。
が、その場合、検討するのは耐震だけではなく、断熱改修を筆頭に、
スペック面で検討しておかなければいけないことがたくさんあり、
でも、住まい手さんがリフォームに踏み切る理由は、間取りの改善であったり内装だったり、
そちらの方が優先順位が高く、その希望はきちんとかなえてあげたいので、
予算配分は本当に悩ましいのです。毎度毎度、本当に悩みます。
今日の講義は、耐震補強に特化した取り組みで、
前述のような、診断だけ受けて改修出来ないケースを減らしていくこと、
耐震改修の実施を現実的なものにしていくことを目的としていて、
その内容は実に有意義で合理的で、とても勉強になりました。
受講して本当に良かったと思うし、今後の仕事に役立てていきたい。
しかし、やはり自分の目の前に仕事に落とし込もうとすると課題も多いのです。
本当に木造住宅って難しいな…。
帰り道、一緒に受講した友達と、
まだまだ勉強しなければいけないことが山ほどあるね…勉強しなきゃね…。
と語り合いました。
設計の仕事にゴールはないな。
講義の中で講師の方が言われた
「コストを下げてあげられるのは施工者ではない。あなたたち(設計者)しかいないのです」
という言葉がとても印象的でした。
これは耐震改修に限った話ではないんですよね。
自分が書く1本1本の線にお金がかかるのだという自覚は持ってやっているけれど、
もっともっと設計の段階で努力するべきことはあるぞと、再確認した一日。
建築費高騰を隠れ蓑にして自分の仕事に怠惰にならないように気をつけなければ。