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干支が一巡しても答えの出ない問い

2012年の年末に書いたブログ。

一年点検で見えたもの – サブリエ (sablier.jp)

2011年の震災をまたいで設計・工事をしていたIさんのお宅に、
一年点検で伺ったときの事が書かれています。
その中に書かれている

何年か後に振り返った時、やはり2011年という年は私にとって大きな分岐点になるのかもしれません。
震災や身内の大病を経験して、自分の中の価値観みたいなものが一度崩壊したのだと思います。

人が幸せでいるために必要なものは何なのか?
そんなに多くの物が必要なのか?
家って何のためにあるのだろうか?
どんな家に住んでいようと、家族が元気で一緒に居られればそれで十分じゃないか?
私達つくり手の自己満足の為にお客さんに余計なお金を使わせているんじゃないか?

そんな事ばかり考えていた2年間でした。

という問いを、12年経った今も握りしめているんだなぁ…と、最近感じます。

新築にしてもリフォームにしても修繕にしても、
お客様から依頼されてやっていることなのだし、
そのお客様にとっての最適解を出す努力は怠っていないとは思うのですが、
なんでしょうね…、何十万、何百万、何千万というお金をお客様に使わせることに、
もやーーーっとした罪悪感がいつも心のどこかにある気がするのです。
おかしいですよね。笑
この心のブロック、いったい何なんだろう??

仕事とは関係ない部分での私の課題でもあるのでしょうが、
先に書いた12年前に自分に課した問いに加え、
ここ数年で明らかに変容した住宅に対する世の中の状況、価値観、
空家問題が謳われ続けながら、畑や緑地をわざわざ潰して次々に建てられる住宅やマンション、
そして、建築費の高騰…。
そういうものたちを直視していると、
建築業界にいるものとして、やるべきことはなんなんだろう?と立ち止まりたくもなるのです。

こうやってすぐ悩むの、本当に嫌なんですよ。笑
でも、ここで悩まずに素通りできる方が恐ろしい気もするんですよね。
それをここに書くにはいかがなものか?とは思いますけどねー。笑

11年前の私は、この問いに対してこう書いていました。

これらの問いに対する答えは、多分この先も明確には出せないのだろうと思います。
それでも今、強く思うのは、
住む人の、工務店さんの、そして自分自身の力と想いを、もっともっと信じたい・・・という事。

結局は、お客様の満足を糧にして前に進んでいくしかないんですよね。
この得体のしれない罪悪感だけは本気で手放したいけど、
(本気で手放したいからここに書いてみることにしたのです)
悩み続ける自分にダメ出しはせずに、こういう問いは持ち続けたまま、
目の前の人のために何が出来るかを考えていきたいと思います。

それはさておき。
日が伸びましたね。

昨日今日と春のような陽気で、どうしたって桜が待ち遠しくなります。
1か月後にはもうチラホラ咲いているんだろうな♡

雪ですね

寒いけれど、この風景は見逃すまいと、少し散歩をしてきました。

もともと静かな湖が、より一層しーんとしています。
この静けさを大切にしたいので、今日は余計なキャプションは無しで。笑

 

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