憧れる

「とても素敵な絵を買ったんです。
 その絵が似合う家にしたいので、今度金沢さんにも観てもらいたいんです」

プロジェクトがスタートしたタイミングで、施主のSさんからそう言われたのは2年半前。
その絵とは、上田暢子さんという画家の絵でした。
ちょうどその時期に国分寺で上田さんの個展が開催されていて、
私もその個展に行き、あまりにも魅力的な作品たちに心から感動し、
一枚の絵を購入した直後の事でした。
同じ画家さんのファンであることが判明したその瞬間の、
Sさんと私の興奮は想像にたやすいでしょう。
「この家づくりは絶対にうまくいくな」と確信した瞬間でもありました。

上田暢子さん。
神戸に在住されていて、正確なお歳は聞いていないけれど、80歳は超えられているそう。
どの作品を見ても、本当に瑞々しく自由な精神を感じます。
憧れるんですよ。
こんな風に歳を重ねたい、こんな風に生きていきたい、と。
私の乏しい語彙では伝えきれないのですが、心が解放されるのです。
それはきっと、上田さんの表現する自由が、
人生で味わう不条理や不自由がしっかりと内包され、
それらを受け止めた上で自らが選択し掴み取った自由のように感じられるからかもしれません。

その上田さんの久しぶりの個展が日本橋の中和ギャラリーで開催されていて、
今日、足を運んできました。
相変わらずの世界観。とにかくいい!

写真でもテキストでも、この魅力を伝えられないのがもどかしい。
出来ることなら、1枚ずつすべての作品を紹介したいくらいです。
個展の開催は明日20日で終わってしまうのですが、
運よく終了前にこのブログを読めた方、お時間が許せばぜひ足を運んでみてください。


上田暢子展『そしてゆっくりと』

コロナ生活がひと段落して日常を取り戻す頃、
慌てずじっくり慎重に羽根を伸ばしてゆく・・・
            ~ギャラリーHPより抜粋

中和ギャラリー:中央区日本橋本町1-5-17 町田ビル4F
最終日 11月20日(日) 12:00~17:00

さて、冒頭のSさんの家。
上田さんの絵を飾る玄関は、こんな風に設えました。

これは引渡し直後なので、まだカウンターの上に置かれている状態ですが、
今頃は壁に掛けられている事でしょう。
この写真は、上田さんの東京での展覧会をマネジメントしている方を通じて、
上田さんにも届けていただけました。
とびきりのエピソードも含めて、喜んでいただけたようです。

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