月別: 2021年10月

受け取るのはモノではなく気持ち

9月から10月の半ばまで完成引き渡しが続き、なんだかバタバタしていたので、
諸々の予定やお誘いを、10月の後半なら大丈夫とスケジュールに入れ込んでいたら、
いつの間にかプライべートの用事がてんこ盛りになってしまっていて、
むしろ前半より忙しくなってしまっていたこの2週間。

緊急事態宣言が明け、世の中が動き出したのも重なって、
本当に久しぶりにお会いできた人も多く、公私ともに充実した楽しい10月でした。

先日も、2年前に京都に引越した友人が上京してきていたので、2年ぶりに再会。
ほんの数時間、夕飯をご一緒しただけですが、
遠くに住む人と会い、食事ができる喜びを、しみじみとかみしめました。

その彼女からいただいたおみやげ。
京都の自宅の近くにあるお菓子屋さんの焼き菓子だったのですが、
「お菓子ももちろんおいしいんだけど、ひとつひとつの商品に添えられてる言葉が
 とても素敵なので、これをあげたかったの」
と渡された小さな箱を帰宅して開けてみて、じんわりと暖かい気持ちになりました。

こういうものを贈り物として選んでもらえると、
なんだか、自分の事をとても大切に扱ってもらえたような気がして、
本当に幸せな気持ちになるものです。
ありがとう。

私も彼女も大好きな陶作家さんの器にのせて、いただきます。

 

好きな場所

自宅のすぐ近くにある多摩湖の堤防。
この向こうに広がる湖ももちろん大好きなんだけど、
ここから見上げる大きな空がとても好きです。

ここに引っ越してきてから4年。
少しずつ少しずつ、この堤防の上までのぼる階段がきつくなってきています。笑

 

冥利に尽きる

2週間前に引渡しをしたリフォーム現場の住まい手さんからのメールに、
「日々、家に帰るのが楽しみで」と書いてありました。

なんでもない言葉なんだけど、やっぱりこれが嬉しくて。

『暮らし』という言葉は、どうしても家にいる時間を想像してしまうけど、
会社で働いてる時間も、通勤電車に乗ってる時間も、外で友達と食事をしてる時間も、
家族の介護で病院や施設に通う時間も、全部全部全部、その人の『暮らし』な訳で、
どんな家を作るかだけではなく、もう少し俯瞰した暮らしの提案をしていきたいなと、
そんなことを考えながら仕事をしているのですが…。

それでも。

「家に帰るのが楽しみだ」「家にいる時間が大好きになった」と言ってもらえるのは、
冥利に尽きるなぁ…としみじみ思ってしまうのです。
幸せの実感を言語化しようとした時、それが「ただいま」だったら最高だよな、と、
自分のクライアントに限った話ではなく、誰もがそう思える家に住めますように、と、
住宅に関わる仕事をしている者としてずっと願い続けているような気がします。
そう思えるために必要な家というのは、決して立派である必要はないし、
持ち家か、賃貸か、なんて事さえも、どうでもいい事なのだと思うのです。

やっぱりあれだな。
私が手渡したいのは、家でも建築でもなく暮らしなんだな。
いや、暮らしというより、
『ホッとできる時間と場所』これに尽きるのかもしれません。

ここまで書いて、あれ?と思ってAboutページを読み返してみたら、
そっくりそのまま同じことが書いてありました。笑
ぶれてないぞ、私! いいこと書いてあるぞ!

また、書き始めた時と全然違うところに着地してしまいました。
ただ、嬉しいメールが届いたことを書きたかっただけなのに…。
仕事に戻ります。笑

写真は、件の住まい手さんのリフォーム後のファサードです。
減築をして、玄関周りをすっきりさせたら、
ずっとそこにいたシャラの木までが生き生きと見え、喜んでくれているかのようです。
確かに、この玄関だけでも、家に帰るのが楽しみになるのは頷けます。素敵。

接ぎ穂

マメにこのブログをチェックしてくれてる友達に、
開くたびに「ホント、嘘つきー!」って思うよ、と言われました。笑

10月に入り、今週末までの半月で4件の現場が完成引き渡しとなります。
去年から続いていた怒涛の日々も、これでようやく一段落。
我ながら、よく頑張ったなーと思います。
まだ一件スケルトンリフォームの現場が継続中ですが、しばらくは設計に集中しつつ、
なかなか整えられなかった新しい仕事環境や体調も整えていけそうです。
このHPもね。笑

少しゆっくり休みたいというのが本音だったりもするけど、そうも言ってはいられません。
新たに動き出しているプロジェクトは、それぞれに程よく刺激的な難題課題もあり、
また貴重な経験を積ませてもらうことができそうで楽しみです。
頑張らねば。

先月、敷地の調査に行った現場からほど近い内房の海。
心が洗われました。

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