月別: 2022年10月

昔の自分の叱咤激励

過去物件の雑資料の整理を少しずつやっています。
雑資料というのは、図面や見積もり、敷地の公的資料以外の文書類のこと。
クライアントに提出した見積精査の見解書や図面の補足説明の控えだったり、
工事中に業者さんとやり取りしたFAXだったり、
そういった細かい紙資料までほとんど保管してあるのです。

保管する義務も必要性もないものがほとんどなのですが、
引渡しの数年後のちょっとした問い合わせに、
その1枚のFAXがものすごく役に立つこともあるものだから、なかなか捨てられず…。
でも、それが23年分となるとかなり膨大な量。
保管場所にも困りはじめたので、少し思い切って処分しようと思うのですが、
見始めると、昔のアルバムのように様々な事が思い出されて、なかなか作業が進みません。笑

今は、メールやSNSでの連絡が主体になっていて、
それは仕事をとても楽に便利にしてくれたとは思うのですが、
反面、いろんなことが大雑把になっている事も否めず…。
仕事が雑になっているよなーと常々感じてはいましたが、
こうやって昔の資料を見ていると、とにかく丁寧なんですよ。伝えるという作業が。
そのほとんどが手書きなので、なおさら、
自分の中にある『過不足なくきちんと伝えなきゃ、説明しなきゃ』という熱量を感じます。
手段が変わっても、この姿勢は絶対に変えてはいけないなーとしみじみ思うのです。

そんな、過去の自分の丁寧な仕事の中に、こんなものを見つけました。笑

地鎮祭の前に、式の流れや当日用意してもらうものをまとめたものなのですが、
ご丁寧にこんなイラストまで描いていました。笑
鍬入れの儀で建て主さんがおこなう所作の説明。
「エイ!エイ!エイ!」の掛け声の意味までちゃんと書き添えてありましたよ。
絵は下手くそだけど、いい仕事してますよね~(*^^*)

今と比べてこの頃が、時間に余裕があった訳でも仕事が少なかった訳でもないはずなのに、
こうやって手間暇のかかることに費やしていた時間、今は一体どこに行ってしまったんだろう。
全てにおいて時短が推奨される世の中ですが、その為の便利なツールを手に入れた私たちは、
本当に余裕を手に入れられているのだろうか…。
明らかに昔より時間に追い詰められているのはなぜなんだろう…。
整理すべきなのは昔の資料ではなく、今の生活の中の『時間』なのかもしれません。

余談ですが、昔の資料の中に、電気設備設計に詳しい学生時代の友人に相談をしていた時の
FAXのやり取りも出てきました。14年前の物件。
その2年後だったかな、その友人が現場で倒れてそのまま急逝してしまったのは…。
メールでのやり取りだったら、こんな風に思いがけず、
彼の懐かしい文字を見つけることもなかったでしょうね。
もう絶対に必要になることはない資料だったけれど、これは捨てられないな。

よし!決めた!

2020年の9月に国分寺のアトリエを引き払って、あっという間に2年が経ちました。
そのアトリエは設計事務所として使うには広すぎて、
余ったスペースをギャラリーとして展示会を開催したり、レンタルスペースとして、
様々な講座や教室、ワークショップに使ってもらったりしていました。
国分寺駅から徒歩2分。
魅力的で個性豊かなお店が並ぶアーケード内という立地だったこともあり、
とにかくいつも人が集まってくる、それはそれはとても賑やかな日々でした。

そこを引き払ってからのこの2年は、基本は自宅で仕事。
もう一つの拠点として国分寺のシェアオフィスも借りていましたが、
なかなか2拠点で仕事をするというのは物理的に無理があり、
そちらは打合せに使う程度となり、ほぼほぼ在宅ワークの引き籠り生活。
2年前までと比べると、本当に静かな毎日となりました。激変です。
これはこれで、私にとっては必要な時間だったなーと思いますし、
暮らしの事は暮らしの中で考えた方が良いのではないか?という持論もあり、
基本の仕事スタイルはもうしばらくこのまま続けるつもりですが、
そろそろね、寂しくもなってきたのですよ。笑

この場にも時々書いてきたことですが、自分が世の中にどう存在していたいか?を問うた時、
設計やデザインの力で豊かな暮らしの場を提供するというのももちろんですが、それ以上に、
暮らしの中の悩みや困りごとを気軽に相談できる場所でありたいという思いが強いのです。
それに関してだけは、在宅ワークのままできることに限界があり、
web上に相談所みたいな仮想空間を作ろうか?とも何度も考えたのですが、
やはり私のやりたいことはそういう事じゃないな…と。
時代に逆行してるかもしれないけど、対面しか考えられないんですよね。
体温を感じる関係性でしか伝わらないものは、どんな時代になってもあるはずだし、
私が大事にしたいものは、多分そこにしかないのだろうな。

かと言って、また改めてテナントを借りてアトリエを構えるには負荷が大きいし、
構えるにしても、国分寺に戻るのか、今住んでいる多摩湖周辺がいいのか、
はたまた、別の場所にする選択肢もあるのか…などなど、
いくら考えても結論が出せないまま頭の中でだけ思いがぐるぐる彷徨う毎日です。
でも、ふらりと相談に来てもらえる場所を持ちたいという思いだけがムクムク育っていき、
コイツがなんだか始末に負えなくなってきたので、
とりあえず、今の自分にできることからやってみようと決めました。

来年から、また少し街に出ようと思います。
2か月に1度くらいのペースで、週末3日間くらいかな、場所を借りて、
サブリエサロンを開くことにします。
目的はもちろん『暮らしのよろず相談所』ではありますが、
建築士が両手を広げて「お気軽にご相談を!」と言ったところで、
気軽に相談に来れる人なんていないのは分かっているので笑、
毎回、なにか楽しい企画を取り入れようと思います。
これまでご縁があった作家さんたちの作品展示とか、ワークショップとか、
設計を手掛けてきたお店の商品の販売とか。
The  客寄せパンダ。笑

切羽詰まってはいないけど、家の中に不具合があって、
なんとかしなきゃ…と気になりつつも放置している方。
そろそろ外壁塗装を考えていて、信頼できる業者さんを紹介してほしい方。
センスがよく機能的な生活小物を買えるお店の情報が欲しい方。
もちろん、自宅や職場のプチリフォームや模様替えを考えてる方や、
収納の悩みを相談したい方も。
そういう方たちが、雑談のついでにちょっと相談できる気軽な場所を、
神出鬼没的に作れればと思っています。
これまでの、相談に対する解決策の実例も見てもらえるようにしたいな。

場所は、国分寺周辺で何か所か目星を付けております。
まだどちらにも相談もしていないけど、多分、快く貸してもらえると思います。笑
具体的には何も決めていないけど、後戻りできないようにフライングで所信表明です。
ああしたいこうしたいと考えるだけで何も動きださずにぐずぐずしている自分に、
ほとほと嫌気もさしてきたところなので…。

第1回目は、来年の1月27日(金)~29日(日)あたりに開催できればと。
がんばれ私!
こんな小さなことからしか始められないけれど、
止まっていた時計のぜんまいを巻き始めるようなワクワク感。
久しぶりだな、この感じ。

元気よく歩くのもほどほどに。

歩道を歩いている時に、ガードレールの支柱に手の甲をぶつけ、
2時間近く経った今もまだじんじんと痛く、親指と人差し指を曲げづらい…。
少し腫れてきました。くぅ…。

前々から気を付けなきゃとは思っているのですが、
私は歩く時に手を大きく振りすぎるんですよ。笑
なので、ちょっと当たったくらいで済むような事象も結構な痣になったり、
いやそれ以前に、普通ぶつからないようなところにぶつかったりするんです。

だからどうしたって話なんですけどね。笑
もう少し淑やかに歩く癖をつけたいものです。

掛布団出さなきゃ…

気温がぐんぐん下がってきています。
明日以降の天気予報を見てみると、最高気温が明日は15℃、明後日は13℃となっていて、
でも、その気温がどのくらい涼しいのかすぐにはイメージできないので、
東京の1年間の平均気温を調べてみたら、3月の平均最高気温が14.2℃でした。
まだウールのセーターを着ていてもおかしくない季節じゃないですか!笑
そうだと分かっても、まだ想像できないなぁ…。13℃かぁ…。

感覚の記憶って、意外と曖昧ですよね。

気温や気圧の急激な変化に、体調を崩してる人も多いようです。
気を付けてお過ごしください。

やだな…。
寒いのやだな…。

充実の休日

10月に入り、市のスピーカーから流れる夕焼け小焼けが1時間早くなりました。
すっかり日が短くなりましたね。
今日もきれいな夕焼けです。

今日は久しぶりに、仕事も出かける予定もない日曜日となりました。
昨日の肉体労働の疲れが見事に残った身体に鞭打ち、掃除や洗濯を済ませてから、
いつもの散歩コースの先にある掬水亭の大浴場へ日帰り入浴に行ってきました。
大浴場と言ってもそれほど広いわけではなく、しかも日曜日だから、
芋洗い状態かしら…と思いながら行ってみたのですが、まさかの貸切状態!
多摩湖を望む展望風呂を独り占めして、「サイコーッ」と叫びながら、
ゆっくりお湯に浸かって、昨日の、いやいや、この夏の疲れもまとめて癒してきましたよ。

お風呂上りには6階のレストランへ行き、ビールとランチを堪能♡
最高です。

帰りはいつもの散歩コースをのんびり歩きながら、光合成。
こんなにお天気のいい週末、久しぶりですもんね。

狭山公園はまだ金木犀の香りは漂っていなかったけれど、
外の景色は確実に秋へと姿を変えてきています。

忙しぶってるわけではないのだけれど、こんなにのんびり過ごせた休日は本当に久しぶり。
やっと、心も身体も頭もしっかり休めたような気がします。
今年も残り3か月。
なかなかいい塩梅にお仕事も溜まってきております。笑
明日からまた頑張ろう!

経験という財産

アトリエのプチリフォームをしている同業友人のお手伝いで左官仕事をしてきました。
壁の漆喰塗りのセルフビルドに挑戦です。
はじめこの話を聞いた時は、てっきり、私の得意なローラー塗りの施工だと思い込み、
ここは私の出番でしょう!と、張り切ってお手伝いを申し出たのですが、
当日の朝にコテ塗りだと聞き、ちょっと焦りました。
コテ塗り作業の経験がない訳ではないけれど、本格的に壁一面を塗るのはお互い初めて。
大丈夫なのか?私たちで…。笑

父の実家が左官屋で、左官屋の孫だというのが私の自慢なのですが、
祖父や伯父が左官屋だったからと言って、私がうまく塗れるわけでもなく…。笑
こればっかりはDNAは関係ないのです、残念ながら。
心意気だけを頼りに頑張ってみましたが、どうなのかなぁ…。笑

作業はめちゃくちゃ楽しくて、
これが自分の部屋だったら仕上がりも含めてきっと大満足なんだろうけど、
コテ塗りのセルフビルドは、安易にお施主さんに勧めない方がいいなというのが今回の学び。笑
本当に難しくて、あらためて左官職人さんのすばらしさを実感する経験でした。
この写真は塗りたてなのでかなりまだらだけど、乾いて、それなりに落ち着いているといいな。

友人は、部屋の一部を、この苔むしたような色にしたかったんだそうです。
その色を顕現させるには、ペンキでは深みが出せないと思い、塗り仕上に決めたのだと。
その選択はさすがだなーと思います。
素材の厚みって、実はとても重要なんですよね。

自分の仕事部屋を、住みながらリフォームする事にした彼女は、
施工前の片付けの大変さや、業者さんに対する気の遣い方など、自分事として経験することで、
リフォームするお施主様の気持ちをより理解できたのが一番の収穫だと話してくれました。
そんな話を聞かせてもらったことまで含めて、このお手伝いは、
いろんな意味で私にとっても貴重な経験となりました。
役に立ったかは分からないけど…、ありがとう。

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