素直につくればいい

節分。

2021年にスケルトンリフォームをしたKさんの家へ、2年ぶりに訪問。
引渡しの時にWorks(Instagram)に載せたKさんの家の様子はこちら

この投稿の最後の動画にある、渾身の折り畳みちょい置き棚。
作ってはみたものの、いちいち折り畳むのも面倒くさいだろうし、
そんなに活用してもらえてないかもなぁ…、
まぁでも、たまに使って重宝してくれてたらいいな…
くらい期待値を下げて(傷つかない為の保身・笑)、
どうですか?役に立ってます?と聞いてみたら、
なんのなんの!毎日フル活用してくれてるとの事♡
奥さんが実演でこの棚を広げてくれたのですが、片手と片足であっという間に組立て。
これは2年間に及ぶ毎日の修練なしには成しえない、惚れ惚れするほど軽やかな動きです。笑

限られた面積、難問だった構造上の課題などに素直に対峙してつくった家ですが、
その結果、奇を衒ったわけではない小さな仕掛けが、生き生きと存在してくれています。
そう、この家は本当に素直な家なのだと思います。
素直につくったら、いろんな事がちょうどよくなってくれた家。

玄関脇に設えた、多趣味なご主人の為のストックヤードもとてもいい感じ。
私は総じて、家の中にご主人の気配をしっかりと感じられる家が好きなんだな。
「俺の〇〇」シリーズ。笑 もっと雑多にタフに使ってもらってもいいくらいです。

左手前に映っている鮭の人形がいい仕事をしていますね。かわいい。

打合せの時のご夫婦の会話を、今でもよく覚えていて、
(このご夫婦の関係性が私は大好きなのです)
しみじみと、楽しかったあの夏の工事を思い出しました。

今日は、ご主人のお友達(中1からのほぼ50年来のお友達!)ご夫婦も遊びにいらしていて、
いろんな話を聞かせてもらいましたが、こちらもまた気持ちのいいご夫婦で。類友ですね。

家は3回建てれば…的な話をよく耳にしますが、多分それは回数の問題ではなくて、
人生の一仕事を終え、たくさんの取捨選択を経てあらゆる意味で余分なものが削ぎ落され、
大切なものがはっきりと分かってきて、しかもまだまだ元気な60歳くらいで、
今の自分たちに過不足のない暮らしを求めた時に、
やっと本当に満足のいく家づくりができるという事なんじゃないかな?

60歳から住まいづくりは、『シンプル』より『素直』がとても大事なキーワードな気がします。
うん、なんか、書きながら思いついたことだけど、とてもそう思います。

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