断熱迷子、岐阜へ行く

自分でもさんざん、ベストはない!完璧はない!と言いながら、結局悩み続けている屋根断熱。
なぜ、こんなに悩むのかというと、屋根の断熱って、熱伝導率よりも、
その素材の持つ熱容量や吸放出性能が、住環境に大きく影響することが、
調べていくうちに分かったからなのです。
でも、以前も書いた通り (Click!) 、性能だけではなく、
施工性やコストも考えながら選ばなければならないし、立地条件でも判断は異なるし、
ここだけは、見積もりが出てから右往左往しないように、
設計者の判断で、過不足の無い提案を最初にしておいてあげたい部分なので、
結局、物件ごとに、深く深く悩んでしまうのです。

で、岐阜へ行ってきました!(唐突な展開ですみません(笑))
ある断熱材を使用している、第一人者と言ってもいい建築家の方の話を聞く事、
また、実際に採用されている建物の環境を体感する事が目的で、
ついでに、その断熱材の製造過程を見るために工場見学もしてきました。
岐阜という、夏は暑くて冬は寒い地域で、
いかに快適に過ごすことができるのか、光熱費をどれだけ節約できるのかを、
実際に入居者さんの話を聞いたり、
年間を通しての温湿度、床と天井の温度差などのデータも見せてもらって知ることが出来、
「よし、やっぱり今回はこれで行こう!」と決心して帰ってきました。

決して、温熱環境に対して熱心な設計者ではない私が(高気密高断熱には興味はないのです)、
なぜ、ここまでして確認しなければならなかったのかというと、
その断熱材が、私が目指す「呼吸がラクな家」にとって、
実に理想的な優等生である事はすでに分かっていたのですが、
決して安いものではない事や、施工者泣かせの難しい素材であることに加え、
肝心な熱伝導率の面で、データとしての数値が、あまり良くなく、
その素材だけで省エネ等級4を取るのが難しい事が、悩みの種だったのです。
他の断熱材と組み合わせてW断熱にすれば、簡単にクリアできるのですが、
それはオーバースペックのような気がして・・・。
私個人的には、省エネ等級4を死守する必要性は感じていませんが、
6年後には、それが法律で義務化される可能性がある以上、知っていながら、
将来、既存不適格になる仕様を勧めるには、それなりの根拠が必要だったんですよね~。
悩み過ぎなのは自覚しているので、どうか、そこは突っ込まずにお願いします(笑)。

今回の岐阜視察は日帰りだったので、かなりの強行スケジュールだったのですが、
さらに欲をだし、名古屋に立ち寄り、最終の新幹線までのわずかな時間を使って、
今、名古屋に住んでる、高校時代の友人にも会ってきました。
もう少しゆっくり会いたかったな・・・(笑)。
岐阜はとてもいいところだったし、次回は観光で、のんびり訪ねてみたいです。
さすがに、疲れた~。

ベランダに潜む危険

昨日の日曜日のお昼前、姉から電話があり、出てみると、
「ベランダで転んで怪我しちゃって、今から救急車で病院に行くんだけど、
 ちょっと救急隊員さんに代わるからね」
と、ほんの数秒で混乱の渦に巻き込まれました(笑)。
電話口に出られた救急隊員さんの話によると、ベランダで何かにつまづいて転倒し、
どこかに頭をぶつけたらしく、そこからの出血が今も尚止まらないので、このまま搬送しますと。
お義兄さんが地方に出掛けてしまっていて留守なので、代わりに病院に来てほしいとの事。

最初に本人の声が聞けたし、隊員さんの話も切羽詰まった感じではなかったので、
慌てはしなかったのですが、とにかく急いで支度をして搬送先の病院へ向かいました。

病院に着いた時には処置も終わり、CTの検査でも異常は見つからなかったとの事で、
本人も、高級リンゴみたいなネットをかぶってはいたけど(笑)、いたって元気で、
「てへへ」と笑っていたので、一安心。
そのまま帰宅はできたのですが、頭を打ってるので、この後急変する可能性もあるからと、
注意事項の説明を受け、お義兄さんが帰宅するまでは傍についていてくださいと申し送りされました。

姉の家に向かう車中で顛末を聞き、出血はひどかったらしいけど、
この程度で済んで良かったよねと、呑気に話していたのですが、
家に着いて、事故現場のベランダを見て絶句!!
いったいどんな惨劇が繰り広げられたのか?と思うくらい、ベランダ一面に大量の出血痕。
とっさに掴んだらしい網戸が破れて、風にひらひらしているのも、物々しさを演出していて(笑)、
頭からこれだけの出血をしながら、よく冷静に自分で救急車を呼べたものだと感心すると同時に、
万が一、脳震盪とかで気を失ってたら・・・と想像して、心底ゾッとしました。

とりあえず姉を休ませて、ベランダの掃除をしながら、ここからはもう職業病全開。
エアコンの室外機と物干金物の設置位置の関係性が悪いと、非常に危険な状態になる事や、
室外機を置くためのベース(姉の家はブロックで、どうやらそれにつまづいたらしい)の出っ張りや、
ベランダ手すりを堅強に取り付けておかないと、とんでもない2次災害が起こる事など、
ベランダという狭い空間で、想定外のアクシデントが起きた時には、
危険な要素がいっぱいある事を再認識してまいりました。
(ついでに書くと、掃除をしながら「やっぱりベランダには水道があった方がいいわ」とも思った(笑))

グラフィックデザイナーの佐藤卓さんが、
「ここからここへ移動するのに、一段ステップがあった方が移動しやすいな、という事に気づき、
 そこにステップを置いてあげるような作業の事を”デザイン”と呼ぶのではないか」
という趣旨の発言をされていて、私にとって、とても大事な言葉になっているのですが、
意匠性というのは、安心・安全の中から生み出さなければいけないよねって本当に思います。

姉の方は、今日の再診で、傷口の状態も含めてまったく問題なく、
早々にりんごちゃんネットからも解放されたようです。よかったよかった。
出血の量と傷の重さは比例しないものなのですね。

皆さんも、家の中で「歩きづらいな」と感じてる部分がもしあれば、
そこから思いもよらぬ事故が起きる可能性も十分ありますから、
足元の邪魔なものは、面倒くさがらずに、ちゃんとどかして生活するようにしましょうね。

画伯の作品 Vol.2

以前、センセーショナルな私の似顔絵を描いてくれたシン君 (Click!) の家に、久々に顔を出したら、彼の部屋にオリジナルのカレンダーが貼ってありました。
すごい!これはもう、売り物のレベル。
ぜひ、写真をクリックして、大きい画像で見てください。

奥さんの話だと、シン画伯、その後も密かに私の似顔絵にチャレンジしているらしいのですよ(笑)。またまたリアルに、描く度にどんどん老化していそうで怖いわ~。

季節が変わる前に

上手く撮れなかったのが悔やまれるのですが、
下の写真は、梅雨の終わりごろに、現場近くで見つけた空き地です。
見事なヒメジオン畑。これ、自生なのかなぁ・・・?

見つけた時は、感動すらしましたよ♪ なのに、ずっと出しそびれていました。

子供の頃、私の住む地域では、この花は「貧乏草」と呼ばれていて、
摘むと貧乏になると言われてたんですよね(笑)。
なぜ、こんなかわいいらしい花が雑草扱いされてるんだろう?
以前も書いたことありますが (Click!) 、雑草、大好きなんです。
ネコジャラシとかヒメジオンとかシロツメクサとかフグリとか、
そんな草花だけで、小さな庭を作ってみたいなぁ・・・。
手入れ、もんのすごーく大変そうだけど(笑)。

空き地の雑草に悩まされる季節も、もうすぐ終わりですね。
こんなに唐突に、あっけなく夏が終わってしまうなんて、ちょっと調子が狂います。
意味もなく、慌ててしまったり。

階段 あれこれ

防火指定のある地域の木造3階建ては、準耐火建築物にしなければならず、階段の仕上げにも制約がいろいろと出てきます。
いろいろと言っても、基本的には、階段の裏側を強化石膏ボードで被覆すれば良いだけの話なのですが、3階建てって、大体が狭小地で、隣家が迫って建てられているので、上からの光を階段室を通して階下に落としたくなるんですよね。
階段は、明るく開放的なのが好みです♪
でも、木造3階建てでストリップ階段にする為には、鉄骨階段にするか、厚さ60mm以上の段板を使用するしかなく、毎度、予算とにらめっこしながら「うーん・・・」と悩むのであります。

上の写真は、10年ほど前に設計した3階建て住宅の階段室。ダイナミックに、60mmの檜板で作ったストリップ階段です。この家は、スキップフロアのコートハウス(建物がコの字形で中庭がある家)で、中庭に面したところにこの階段室があります。ほぼ「階段の家」と言っていいくらい(笑)、存在感のある階段室になりました。

余談ですが、この当時、私の設計した家を見た人には、ほぼ毎回、「女の人の設計だとは思わなかった。これは男の設計だ!」って言われてたんですよね~。
家づくりが、今みたいにいろんな制約もなく、大らかだった時代。
純粋に設計を楽しめてたよな~って、いつも懐かしく思い出します。
「大胆、かつ繊細」をテーマに、思い切ったこともいろいろやらせてもらってたのですが、最近は、悩んで悩んでこねくり回して、ちっちゃくまとまってる気がします(笑)。いかんいかん!突き抜けなきゃ!!

こちらは、わりとよく採用している方法。回り階段だけ大工さんに作ってもらって、鉄砲部分のみ鉄骨階段を使用しています。納まり的にもコスト的にも、一番いい妥協策(いや、それでもコストは掛かってるのだが(笑))だと思っています。
ちなみに、階段との間仕切り(左側)には、ちょこっとコートやバッグなんかを掛けておくためのパーティションを木で作っています。構造材は全て石膏ボードで被覆しなければいけない木造3階建てへの、せめてもの抵抗(笑)。構造体から分離して、柱を表しにして作りました。

現在設計中の3階建ても、やはり2~3階はストリップにしたいと思っているのですが、上り始めも3段回りなので、なかなか悩ましいのです。スペース的にもカッツカツなので(笑)、階段の納まりには最後まで悩みそう・・・。どうしよっかなー。大工さんと監督さんに頑張ってもらうしかないかなー。
もうしばらく現実逃避して、他の部分を詰めてから考えましょう・・・(笑)。

ついでにもう一枚。こちらは2階建ての住宅ですが、最初の3段を30mmの集成材を重ねて作ったストリップ階段です。ちょっと分かりづらいかもしれませんが、1段目が、玄関の上り框と交差していて、靴を履くときのベンチも兼ねているのです。かっちょいいんですよ~。

「住みやすい家」を突き詰めていけば、やはり平屋が一番良いのでしょうが、東京で仕事をしている以上、それはなかなか難しいのが現実。だったら、せめて、上り下りが苦痛にならないような階段を設えておきたいなと思います。ちょっとした仕掛けが、生活に潤いを持たせてくれるなら、その為の設計の知恵は惜しみなく出していきたいですよね。
だからお願い。これ以上、資材とか職人さんの手間とか、値上がりしないで~!(笑)

昆虫おじさん

相方さんの新作。
かつての昆虫少年にリクエストされて、かつての昆虫少年が作ったカブトムシ。

呆れるくらい良くできています。脚の先っちょ、動くらしいですよ!(笑)
パーツひとつひとつを作ってから組み立てているので、ディテールまでものすごくリアルなんです。

これまで、いろーーんな種類の昆虫を作ってきているのですが、(過去に紹介した記事→ (Click!) 
カブトムシだけは、好き過ぎるあまり、今まで手が出せなかったみたいです。
少しだけ、その気持ちは分かる気がします(笑)。

これを見た人から、カブトムシの注文が続いているようですが、
カブトムシを作ってる時だけは、家でも、妙に機嫌が良くて元気で楽しそうなので、
もう、出来れば一年中カブトムシを作っててほしいくらいです(笑)。

子供達の夏休みも、あっという間に残り2週間ですね。
楽しい想い出、たっくさんつくるんだぞーー!

猫カフェと七夕まつり

土曜日の夕方、同業友人に誘われて、彼女が手がけた猫カフェに行ってきました。
普通の猫カフェとは主旨が異なり、動物病院の先生が、病院に併設させてオープンしたカフェで、
成猫の里親探しを目的とした、お見合いスペースのようなカフェなのです。

右の写真の子は、福島からやってきた「みぃ君」。

もう、猫という生き物のすべての魅力を身にまとったような(笑)アメショの男の子。
癒されますよ~♡
ちょうど私達と入れ違いで、新しい家族に引き取られていった子も居て、
(新しいお父さんとお母さん、すでにもうメロメロの親バカ状態でした(笑))
獣医さんのしっかりとしたプランの元に運営されてる安心感、みたいなものも、
短い時間に感じ取ることが出来ました。みんな幸せになれよ~。
カフェの内装もかわいかったです♪

まったりした後は、その足で、阿佐ヶ谷の七夕祭りへ!
すごい人出でした。
パールセンターという商店街の長いアーケードに、町の人たちが作ったハリボテが飾られていて、それらを見て歩くだけで十分楽しかったです。
牛タン塩焼き串とか、海鮮トッポギとか、渋めのチョイス(完全にビールのつまみ系(笑))で食べ歩きも満喫し、涼しい風に吹かれながら気持ちのいい時間を過ごしてきました~。
もちろん、七夕ならではの「短冊の願い事チェック!」も忘れません。
個人的に「アトリエ朋賞」をあげたくなった願い事は、
「パンダになりたい」かな?(笑)
よく分かる!出来るものなら私もなりたい♪

工務店さんだって「やってあげたい」のだ。

リフォーム工事は、住み手のご予算と、ご要望と、
「このタイミングで工事をするならここもやっておきたいよね?」という内容が絡み合い、
また、新築と違って、そのままでも住むことが出来るわけだから、
「この部分の工事を取りやめれば、その分でこっちをこれだけできますね」という判断も有りなので、
我々のコストコントロールと提案力が、かなり試されてしまいます。

2月から打ち合わせをしているマンションリフォームでは、非常にレアなケースですが、
リフォーム後に人に貸すか、自分で住むかという選択肢も加わり、
(そこで悩まざるを得ない事情が、この半年の間で次から次へと起こったのです!)
その選択によって予算も工事内容も変わってきてしまうので、
結果、工務店さんにはものすごい数の見積もりをつくってもらう事になりました。
施主の揺れ動く気持ちにも寄り添って、
その都度、どうまとめていこうかと一緒に考え続けてくれた監督さんには感謝感謝です。

今日の打ち合わせで、ついに、工事内容と金額がFIXし、9月から工事に入る事になりました。
“事情”については、まだ若干、未知な部分も残されているのですが、
事態がどう転んでも納得できる内容に着地することができたと思います。万歳!

再三に渡る見積調整の打ち合わせの席で、監督さんの口から、
「できればここまでやってあげたいんですよね」
「今の時点では厳しいけど、工事が始まってからうまくやり繰りできたら、
 これもやってあげられるように頑張ってみます」
というセリフが何度も飛び出している事って、お客さんは想像してないんだろうなぁ・・・。
みんながみんな、そうだとは言いきれないのが残念なところですが、
世の工務店さん達は、
“お客さんの要望に出来るだけ応えてあげたいけど、それができないもどかしさや葛藤”
と、いつも闘っているのですよ。
立場があるから、絶対顔には出しませんけどね(笑)。
そういう事をきちんと伝えるのも、設計事務所の大事な役割なんだろうなって思います。
満足できる家をつくる為に一番大事な道具は、「信頼」ですからね!

宿題のお手伝い

週末、工務店さんと一緒に、友人宅のリフォームの打ち合わせへ。
滞りなく打ち合わせが済んだあと、監督さんが、
友人の愛娘、中学1年生のRちゃんの宿題のお手伝いをする事に。

その宿題とは、いろんな職業の人に、その仕事についてインタビューするというもので、
仕事の内容、その仕事をする為に必要な資格や学校から始まり、
なぜ、その仕事についたのですか?
楽しい事はなんですか?
大変な事はなんですか?・・・と、続きます。
私に、「『信頼』が服着て歩いてる」と呼ばれている、真面目な監督・Hさん。
中学生のインタビューに、緊張しちゃって、ダラダラ汗かいちゃって!(笑)
ひとつひとつ誠実に答えてる姿が微笑ましかったです。

後半の質問の答えは、私も初めて聞くようなお話ばかりで、
「へ~、そんな風に考えながらお仕事してるんだぁ・・・」
と、聞き入ってしまいました。Rちゃんのおかげで、得した感じです。

最後の「大変な事」に質問が及んだ時、
「設計屋がいちいちうるさい!!」って言っていいですよ!
とフォロー(?・笑)してみましたが、「いやいやいやいや・・・」と。
そりゃ、言えないですよね(笑)。

その後、私もインタビューされたのですが、
実際、面と向かっていろいろ聞かれると、やっぱり少し緊張するものですね。
でも、「大変な事」の質問には、もうRちゃんが書くのが面倒臭くなるくらい答えちゃいました。
中学生相手に愚痴ってどうする!!(笑)

めまいが・・・

去年の秋、防火地域・準防火地域で使用するサッシが大胆に値上がりしたのは有名な話で、私もみんなと一緒に「わー!わー!」と騒いではいたのですが(笑)、実は、その後のプロジェクトがすべて防火指定の無い地域だった為、影響を受けておらず、今、初めて、新たな防火設備のカタログと対峙している次第でございます。

で、軽くめまいがしてきました(笑)。

何これ?たっかーーい!!

狭小地なので、1階以外は延焼ラインを逃れられるわけもなく。
サッシ枠の結露が心配なので、3階だけはアルミ樹脂複合サッシを付けてあげたいと思ってたんだけど、Sさん、ごめん!ちょっとくじけてます。。。(笑)

でも、あきらめませんよ!めまいなんかに負けませんよ!
最小限の窓で、家中を風が吹き抜ける気持ちのいい家にすべく、あくなき戦いは続くのであります。

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