2021.12.16
設計の仕事を始めて、もう30年。
同じ仕事を30年も続けていれば、それなりにベテランの域に入ってもよさそうなのに、
最近ますます、設計って難しいと感じるようになり、無力感に襲われます。
だからこそ続けられるというのもあるだろうし、
決してこれは停滞や衰退ではなく、ある意味成長なのかもしれないけれど、
いつもあらゆることに悩んでいるのも疲れます。笑
で、ちょっとブログに弱音のひとつも吐いてみたくなるのです。
こういう時は、きっと少しだけ何かがぶれているんだろうなぁ。
2021.12.1
嵐のような夜が明け、清々しく12月が始まりましたね。
今朝、自宅マンションから撮影した富士山。きれいだったなー。
さて。
私にしては珍しく、前回のポストに、
プライベートで遊びに行く予定なんかを書いてみたわけですが、
そのわずか3日後に、
マヌケな家庭内事故で膝の靱帯の部分断裂というケガをしてしまい、
人生初のギブス&松葉杖生活を送っておりました。Oh!No!
何をやっているんだか…。
一昨日やっとギブスが外れ、
まぁそれでもサポーターと包帯でしっかり固定はされているけれど、
ちょっとでも膝が曲げられるというのがありがたくてありがたくて…。
ギブス生活というのがこんなに不自由だとは思いませんでした。
特にトイレが大変。笑
*
狭小3階建ての住宅、特に建売住宅では、LDKを極力広くとるために、
1階が車庫&水回り+主寝室、2階がLDK、3階が子供部屋
のようなゾーニングになってることが多いのですが、
私としてはそこに異論がありまして、
足を怪我をした時に、1時間かかってでも2階まで上がってこれたら、
そのフロアだけでなんとか生活が送れるように、
リビングが狭くなっても水回りは同じフロアにまとめた方がいいですよ
という提案をしてきたのですが、それは正しかったなぁ…と、
ちょっと自分を褒めてあげたくなりました。笑
『まさか』に備えてばかりいても仕方がないけれど、
そして、出来る事には限界はあるけれど、
やっぱり、何千万というお金をかけて手に入れる家は、
「何があっても、この家に住んでればとりあえず大丈夫」
という安心を一緒に引き渡したいんですよね。
そんなことをまた新たに思い直す、いい機会になっています。
これで、この先私が設計する家がより良いものになってくれたら、
それこそが『怪我の功名』なんでしょうね。
*
怪我の方は、完治にはちょっと時間がかかりそうですが、
そんなに引きこもってもいられないので少しずつ動きだせればと。
でも、無理して長引くのはイヤなので、
年内はなるべくおりこうさんにしていようと思います。
いよいよ今年もラスト1か月。
何かと気忙しくなる季節ですが、みなさまもくれぐれもお気を付けください。
何年か後に、自分のブログを読み返してプププと笑えるように、
ギブス姿も記念にアップしておきます。笑
2021.11.11
しみじみと、いいお天気です。
まるでお正月のように静かです。
こんな気持ちのいい日は、外へ遊びに行きたくなりそうなものですが、
不思議と、今日は仕事がモリモリ捗ります。
仕事が捗っていると、不思議と、ブログを更新する余裕が生まれます。
理由は分かりませんが、そういうものなのだと思います。
『余白』なのかな。『隙間』ではなく『余白』。
気持ちの。
時間の。
来週は長瀞に、来月の頭には昇仙峡に、紅葉狩りに行く予定が入っています。
11月も1/3が過ぎ、どうしても、年末に向かって気忙しくなりますが、
程よく楽しみも織り交ぜながら、一日ずつ、ちゃんと過ごしていきたいものです。
あ、そっか。
もし、遊びに行く予定が入っていたなかったら、
今日みたいな日はさぼりたくなってしまうのかもしれないな。
よく分からないけど、うまく書けないけど、
今日は大事なことにたくさん気づけた気分です。笑
仕事に戻りましょう。
2021.10.31
9月から10月の半ばまで完成引き渡しが続き、なんだかバタバタしていたので、
諸々の予定やお誘いを、10月の後半なら大丈夫とスケジュールに入れ込んでいたら、
いつの間にかプライべートの用事がてんこ盛りになってしまっていて、
むしろ前半より忙しくなってしまっていたこの2週間。
緊急事態宣言が明け、世の中が動き出したのも重なって、
本当に久しぶりにお会いできた人も多く、公私ともに充実した楽しい10月でした。
先日も、2年前に京都に引越した友人が上京してきていたので、2年ぶりに再会。
ほんの数時間、夕飯をご一緒しただけですが、
遠くに住む人と会い、食事ができる喜びを、しみじみとかみしめました。
その彼女からいただいたおみやげ。
京都の自宅の近くにあるお菓子屋さんの焼き菓子だったのですが、
「お菓子ももちろんおいしいんだけど、ひとつひとつの商品に添えられてる言葉が
とても素敵なので、これをあげたかったの」
と渡された小さな箱を帰宅して開けてみて、じんわりと暖かい気持ちになりました。
こういうものを贈り物として選んでもらえると、
なんだか、自分の事をとても大切に扱ってもらえたような気がして、
本当に幸せな気持ちになるものです。
ありがとう。
私も彼女も大好きな陶作家さんの器にのせて、いただきます。
2021.10.28
自宅のすぐ近くにある多摩湖の堤防。
この向こうに広がる湖ももちろん大好きなんだけど、
ここから見上げる大きな空がとても好きです。
ここに引っ越してきてから4年。
少しずつ少しずつ、この堤防の上までのぼる階段がきつくなってきています。笑
2021.10.26
2週間前に引渡しをしたリフォーム現場の住まい手さんからのメールに、
「日々、家に帰るのが楽しみで」と書いてありました。
なんでもない言葉なんだけど、やっぱりこれが嬉しくて。
『暮らし』という言葉は、どうしても家にいる時間を想像してしまうけど、
会社で働いてる時間も、通勤電車に乗ってる時間も、外で友達と食事をしてる時間も、
家族の介護で病院や施設に通う時間も、全部全部全部、その人の『暮らし』な訳で、
どんな家を作るかだけではなく、もう少し俯瞰した暮らしの提案をしていきたいなと、
そんなことを考えながら仕事をしているのですが…。
それでも。
「家に帰るのが楽しみだ」「家にいる時間が大好きになった」と言ってもらえるのは、
冥利に尽きるなぁ…としみじみ思ってしまうのです。
幸せの実感を言語化しようとした時、それが「ただいま」だったら最高だよな、と、
自分のクライアントに限った話ではなく、誰もがそう思える家に住めますように、と、
住宅に関わる仕事をしている者としてずっと願い続けているような気がします。
そう思えるために必要な家というのは、決して立派である必要はないし、
持ち家か、賃貸か、なんて事さえも、どうでもいい事なのだと思うのです。
やっぱりあれだな。
私が手渡したいのは、家でも建築でもなく暮らしなんだな。
いや、暮らしというより、
『ホッとできる時間と場所』これに尽きるのかもしれません。
ここまで書いて、あれ?と思ってAboutページを読み返してみたら、
そっくりそのまま同じことが書いてありました。笑
ぶれてないぞ、私! いいこと書いてあるぞ!
*
また、書き始めた時と全然違うところに着地してしまいました。
ただ、嬉しいメールが届いたことを書きたかっただけなのに…。
仕事に戻ります。笑
写真は、件の住まい手さんのリフォーム後のファサードです。
減築をして、玄関周りをすっきりさせたら、
ずっとそこにいたシャラの木までが生き生きと見え、喜んでくれているかのようです。
確かに、この玄関だけでも、家に帰るのが楽しみになるのは頷けます。素敵。
2021.10.12
マメにこのブログをチェックしてくれてる友達に、
開くたびに「ホント、嘘つきー!」って思うよ、と言われました。笑
10月に入り、今週末までの半月で4件の現場が完成引き渡しとなります。
去年から続いていた怒涛の日々も、これでようやく一段落。
我ながら、よく頑張ったなーと思います。
まだ一件スケルトンリフォームの現場が継続中ですが、しばらくは設計に集中しつつ、
なかなか整えられなかった新しい仕事環境や体調も整えていけそうです。
このHPもね。笑
少しゆっくり休みたいというのが本音だったりもするけど、そうも言ってはいられません。
新たに動き出しているプロジェクトは、それぞれに程よく刺激的な難題課題もあり、
また貴重な経験を積ませてもらうことができそうで楽しみです。
頑張らねば。
先月、敷地の調査に行った現場からほど近い内房の海。
心が洗われました。
2021.9.7
8月はとにかく書き散らしてみます。
なんて宣言までしたのにこの体たらく。笑
おひさしぶりです。
何事も20日間毎日続ければ『習慣』になると聞くけど、それがなかなか難しい。
さらに厄介なのが、いや、厄介というより謎なのが、
習慣にしたい善い行いは全然習慣にならないのに、
これを習慣にしちゃダメよ…という悪しき行いは、
3日も続ければあっという間に習慣になってしまうのですよ。
昔からこの謎と向き合ってはいるんだけど、いまだ解明できず。
何か、脳をだませるトリックがあるはずなんだけどなぁ…。
そんなわけで、8月もあっという間に終わってしまいまして、
それはもう、何をやってたんだか思い出せないくらいあっという間だったのですが、
久しぶりに、わりと読書の時間をつくれた1か月でもありました。
その中の一冊。もう何度も読んでいる大好きな本。
小川洋子さんの『猫を抱いて象と泳ぐ』を読み返し、チェス熱も再燃しました。
やりたいことがたくさんあって困ります。
その本の最後の解説を、俳優の山崎努さんが書かれているのですが、
最後の2行がとても良かったのでご紹介します。
『自由だ解放だと今日日世間は煽るけれど、そんな風潮に乗ってはいけない。
本当の自由は仕方ない事情の内にあるのだから。』
自分で決めた自分との約束を守れなかったり、やりたい事がなかなできなかったり、
自分の時間を思うように使えていない言い訳に、つい、仕方ない事情を探してしまうけど、
その仕方ない事情をどーんと受け入れてしまった方が自由に近づけるというのは、
なるほど本当にその通りかもしれないな、と思います。
唐突に夏が終わりを告げ、ここ数年なかったような『秋の9月』が始まりました。
四の五の言ってないで、9月は書き散らしてみようと思います。笑
2021.8.6
昨日の夕焼け。
「美しい」より「怖い」が勝ってしまって、ぼんやり眺めていられませんでした。
これだけ雲が多いのに富士山がくっきり見えるのが何だか不気味で。。。
一夜明け。
SNSを覗いていると、昨日のこの風景を、
「なんて美しい夕焼け」というキャプション付きでアップしている人がたくさんいて、
もしや、私は美しいものを美しいと思えなくなっているのか?
と、少し不安になりました。笑
でも、やっぱり写真を見ているとぞわぞわしてしまいます。
もう少し穏やかな空が好きだな、私は。
2021.8.1
現在進行中の木造住宅のリフォーム工事。
お子さんたちがみんな独立し、ご夫婦ともに定年退職の時を迎え、
これから家で過ごす時間が増えるこのタイミングでのリフォームに、
おふたりが掲げたテーマは『超ポジティブな家庭内別居』。
とても仲のいいご夫婦だからこその、本当に素敵なテーマです。
家全体のバリアフリー化と一部水回り機器の交換、壁紙の貼替など、
一般的なリフォーム工事内容に加え、ご夫婦それぞれの個室を作っています。
新たに奥様の個室になる部屋は、大好きな色を組み合わせて仕上げた一面の壁に、
新築時にどうしても要望を叶えてもらえず、
でもあきらめきれずに憧れを抱き続けていたという丸窓を配置。
ご自分の『好き』を、ぶれずに明確にお持ちになっている奥様に似合う、
とても元気になれそうな明るい部屋になる予定です。
そして今回、一番大掛かりな工事になったのはご主人の部屋。
これからの暮らしの中で、親しいご友人やご親戚の男衆を集めて、
奥様にも気兼ねなく集会(宴会?)を開けるような自室を作りたいというご要望。
名付けて『俺の城』計画。笑
ミニキッチンなどではない、しっかりとした台所を備えることを希望され、
それならばと、「これこそが男の台所ですよ!」と私もすっかり楽みながら、
大工さんに箱を作ってもらい、モールテックスという左官仕上でつくる、
『俺の城』の名にふさわしいタフな厨房を提案させていただきました。
写真は、そのモールテックスの施工風景です。
下塗りを2層、仕上塗りを3層、乾いたら研磨し、さらに止水材とWAX。
本当に手間のかかる工程ですが、職人さんの手の跡がしっかりと残り、
有機的でありながら甘くならない、大好きな仕上です。
住みながらのリフォーム工事なので、ご主人も毎日ワクワクしながら、
その進捗を見守ってくれているようです。
全体の工事はもう少し掛かるのですが、この部屋はなんとかお盆前に完成させ、
夏休みの宴に間に合うよう、鋭意工事中。間に合うかな。
*
さて、『超ポジティブな家庭内別居』。
家族の数だけあるべき家の形がありますから、これがベストな訳ではありません。
みんながみんな、こんな風に自分だけの部屋を作れるわけではないし、
常に家族みんなの気配を感じられる家がいいというのも、
そのご家族にとってのあるべき家の形だと思います。
でも、夫婦に限らず親子でも、それぞれの大切な時間を尊重し邪魔をしない、
というのはきっととても大切で、それは気持ちの持ちようだけでなく、
もちろん、間取りや家の広さも関係なく、
ちょっとした物理的な仕掛けで導けるものなのかもしれないな、と、
いろんなご家族の家づくりをお手伝いしながら感じています。
そういえば、吉本隆明さんは娘さんたちが子供のころから、
彼女たちが自分の用事をしている時には、
絶対に自分の都合で中断させないと決めていたと何かで読んだことがあります。
気持ちのあり方として見習うべき態度だとしみじみ思います。自戒を込めて。笑