よし!決めた!

2020年の9月に国分寺のアトリエを引き払って、あっという間に2年が経ちました。
そのアトリエは設計事務所として使うには広すぎて、
余ったスペースをギャラリーとして展示会を開催したり、レンタルスペースとして、
様々な講座や教室、ワークショップに使ってもらったりしていました。
国分寺駅から徒歩2分。
魅力的で個性豊かなお店が並ぶアーケード内という立地だったこともあり、
とにかくいつも人が集まってくる、それはそれはとても賑やかな日々でした。

そこを引き払ってからのこの2年は、基本は自宅で仕事。
もう一つの拠点として国分寺のシェアオフィスも借りていましたが、
なかなか2拠点で仕事をするというのは物理的に無理があり、
そちらは打合せに使う程度となり、ほぼほぼ在宅ワークの引き籠り生活。
2年前までと比べると、本当に静かな毎日となりました。激変です。
これはこれで、私にとっては必要な時間だったなーと思いますし、
暮らしの事は暮らしの中で考えた方が良いのではないか?という持論もあり、
基本の仕事スタイルはもうしばらくこのまま続けるつもりですが、
そろそろね、寂しくもなってきたのですよ。笑

この場にも時々書いてきたことですが、自分が世の中にどう存在していたいか?を問うた時、
設計やデザインの力で豊かな暮らしの場を提供するというのももちろんですが、それ以上に、
暮らしの中の悩みや困りごとを気軽に相談できる場所でありたいという思いが強いのです。
それに関してだけは、在宅ワークのままできることに限界があり、
web上に相談所みたいな仮想空間を作ろうか?とも何度も考えたのですが、
やはり私のやりたいことはそういう事じゃないな…と。
時代に逆行してるかもしれないけど、対面しか考えられないんですよね。
体温を感じる関係性でしか伝わらないものは、どんな時代になってもあるはずだし、
私が大事にしたいものは、多分そこにしかないのだろうな。

かと言って、また改めてテナントを借りてアトリエを構えるには負荷が大きいし、
構えるにしても、国分寺に戻るのか、今住んでいる多摩湖周辺がいいのか、
はたまた、別の場所にする選択肢もあるのか…などなど、
いくら考えても結論が出せないまま頭の中でだけ思いがぐるぐる彷徨う毎日です。
でも、ふらりと相談に来てもらえる場所を持ちたいという思いだけがムクムク育っていき、
コイツがなんだか始末に負えなくなってきたので、
とりあえず、今の自分にできることからやってみようと決めました。

来年から、また少し街に出ようと思います。
2か月に1度くらいのペースで、週末3日間くらいかな、場所を借りて、
サブリエサロンを開くことにします。
目的はもちろん『暮らしのよろず相談所』ではありますが、
建築士が両手を広げて「お気軽にご相談を!」と言ったところで、
気軽に相談に来れる人なんていないのは分かっているので笑、
毎回、なにか楽しい企画を取り入れようと思います。
これまでご縁があった作家さんたちの作品展示とか、ワークショップとか、
設計を手掛けてきたお店の商品の販売とか。
The  客寄せパンダ。笑

切羽詰まってはいないけど、家の中に不具合があって、
なんとかしなきゃ…と気になりつつも放置している方。
そろそろ外壁塗装を考えていて、信頼できる業者さんを紹介してほしい方。
センスがよく機能的な生活小物を買えるお店の情報が欲しい方。
もちろん、自宅や職場のプチリフォームや模様替えを考えてる方や、
収納の悩みを相談したい方も。
そういう方たちが、雑談のついでにちょっと相談できる気軽な場所を、
神出鬼没的に作れればと思っています。
これまでの、相談に対する解決策の実例も見てもらえるようにしたいな。

場所は、国分寺周辺で何か所か目星を付けております。
まだどちらにも相談もしていないけど、多分、快く貸してもらえると思います。笑
具体的には何も決めていないけど、後戻りできないようにフライングで所信表明です。
ああしたいこうしたいと考えるだけで何も動きださずにぐずぐずしている自分に、
ほとほと嫌気もさしてきたところなので…。

第1回目は、来年の1月27日(金)~29日(日)あたりに開催できればと。
がんばれ私!
こんな小さなことからしか始められないけれど、
止まっていた時計のぜんまいを巻き始めるようなワクワク感。
久しぶりだな、この感じ。

元気よく歩くのもほどほどに。

歩道を歩いている時に、ガードレールの支柱に手の甲をぶつけ、
2時間近く経った今もまだじんじんと痛く、親指と人差し指を曲げづらい…。
少し腫れてきました。くぅ…。

前々から気を付けなきゃとは思っているのですが、
私は歩く時に手を大きく振りすぎるんですよ。笑
なので、ちょっと当たったくらいで済むような事象も結構な痣になったり、
いやそれ以前に、普通ぶつからないようなところにぶつかったりするんです。

だからどうしたって話なんですけどね。笑
もう少し淑やかに歩く癖をつけたいものです。

掛布団出さなきゃ…

気温がぐんぐん下がってきています。
明日以降の天気予報を見てみると、最高気温が明日は15℃、明後日は13℃となっていて、
でも、その気温がどのくらい涼しいのかすぐにはイメージできないので、
東京の1年間の平均気温を調べてみたら、3月の平均最高気温が14.2℃でした。
まだウールのセーターを着ていてもおかしくない季節じゃないですか!笑
そうだと分かっても、まだ想像できないなぁ…。13℃かぁ…。

感覚の記憶って、意外と曖昧ですよね。

気温や気圧の急激な変化に、体調を崩してる人も多いようです。
気を付けてお過ごしください。

やだな…。
寒いのやだな…。

充実の休日

10月に入り、市のスピーカーから流れる夕焼け小焼けが1時間早くなりました。
すっかり日が短くなりましたね。
今日もきれいな夕焼けです。

今日は久しぶりに、仕事も出かける予定もない日曜日となりました。
昨日の肉体労働の疲れが見事に残った身体に鞭打ち、掃除や洗濯を済ませてから、
いつもの散歩コースの先にある掬水亭の大浴場へ日帰り入浴に行ってきました。
大浴場と言ってもそれほど広いわけではなく、しかも日曜日だから、
芋洗い状態かしら…と思いながら行ってみたのですが、まさかの貸切状態!
多摩湖を望む展望風呂を独り占めして、「サイコーッ」と叫びながら、
ゆっくりお湯に浸かって、昨日の、いやいや、この夏の疲れもまとめて癒してきましたよ。

お風呂上りには6階のレストランへ行き、ビールとランチを堪能♡
最高です。

帰りはいつもの散歩コースをのんびり歩きながら、光合成。
こんなにお天気のいい週末、久しぶりですもんね。

狭山公園はまだ金木犀の香りは漂っていなかったけれど、
外の景色は確実に秋へと姿を変えてきています。

忙しぶってるわけではないのだけれど、こんなにのんびり過ごせた休日は本当に久しぶり。
やっと、心も身体も頭もしっかり休めたような気がします。
今年も残り3か月。
なかなかいい塩梅にお仕事も溜まってきております。笑
明日からまた頑張ろう!

経験という財産

アトリエのプチリフォームをしている同業友人のお手伝いで左官仕事をしてきました。
壁の漆喰塗りのセルフビルドに挑戦です。
はじめこの話を聞いた時は、てっきり、私の得意なローラー塗りの施工だと思い込み、
ここは私の出番でしょう!と、張り切ってお手伝いを申し出たのですが、
当日の朝にコテ塗りだと聞き、ちょっと焦りました。
コテ塗り作業の経験がない訳ではないけれど、本格的に壁一面を塗るのはお互い初めて。
大丈夫なのか?私たちで…。笑

父の実家が左官屋で、左官屋の孫だというのが私の自慢なのですが、
祖父や伯父が左官屋だったからと言って、私がうまく塗れるわけでもなく…。笑
こればっかりはDNAは関係ないのです、残念ながら。
心意気だけを頼りに頑張ってみましたが、どうなのかなぁ…。笑

作業はめちゃくちゃ楽しくて、
これが自分の部屋だったら仕上がりも含めてきっと大満足なんだろうけど、
コテ塗りのセルフビルドは、安易にお施主さんに勧めない方がいいなというのが今回の学び。笑
本当に難しくて、あらためて左官職人さんのすばらしさを実感する経験でした。
この写真は塗りたてなのでかなりまだらだけど、乾いて、それなりに落ち着いているといいな。

友人は、部屋の一部を、この苔むしたような色にしたかったんだそうです。
その色を顕現させるには、ペンキでは深みが出せないと思い、塗り仕上に決めたのだと。
その選択はさすがだなーと思います。
素材の厚みって、実はとても重要なんですよね。

自分の仕事部屋を、住みながらリフォームする事にした彼女は、
施工前の片付けの大変さや、業者さんに対する気の遣い方など、自分事として経験することで、
リフォームするお施主様の気持ちをより理解できたのが一番の収穫だと話してくれました。
そんな話を聞かせてもらったことまで含めて、このお手伝いは、
いろんな意味で私にとっても貴重な経験となりました。
役に立ったかは分からないけど…、ありがとう。

お客様と業者さんの真ん中に居ますよ!

友人から、自宅で週末だけの小さなパン屋さんを始めたいと相談を受けました。
自宅を改装して、飲食店や食品の製造業の許可を取るには、
大きな問題として、事業用とは別に住居用のキッチンが必要な事と、
事業用キッチンを他の部屋から独立させなければいけないという課題が出てくるのですが、
その家はたまたま二世帯住宅でもうひとつキッチンがあり、
たまたま1階のキッチンが独立型で、すでに扉もしっかりついているという好条件。
さらに、昨年法改正があり、以前と比べて必要な設備のハードルがかなり下がったので、
最低限の工事で夢が実現できるという、ラッキーな案件なのでした。

今日から、そのキッチンの改装工事が始まりました。
元々ついていたカップボードを改造して、新たに手洗器を設置。
あとはパンを焼くための業務用オーブンの設置と、エアコンと食洗機の新設。
その他の細々な工事はあれど、1週間で工事も終わり、
来週には保健所の許可も取れる予定です。

パン屋さんとしてのオープンはもう少し先になる予定ですが、
彼女の作る天然酵母パンは本当に美味しいので、
無事にオープンしたら、こちらでもご紹介しますね!

これからますます、自宅を改装してお店を開きたい人は増えるでしょうね。
このパン屋さんは窓先販売の予定なので、特に店舗工事は発生しない為、
今回はデザインの仕事ではなく、あくまでも最低限の費用で設備を整えるための工事ですが、
そういう仕事こそ、どこに相談したらいいか分からずに動けずにいる人も多そうな気がします。
ご自身が、あるいは周りの人が、
「できることならやってみたいなー」というところで迷っていたら、
とりあえず、相談してきてほしいですね。

店舗に限らずなのですが、家の中のちょっとした困りごとなんかでも、
意外と、「こんなことは設計事務所には頼めない」と思い込んでる人が多いのですが、
設計者が動くような仕事じゃなかったとしても、信頼できる業者さんを紹介できますから、
もっともっと、気軽に相談してもらえる存在になりたいな…と、いつも思っているのです。

サブリエはこれからも、『あなたの街の暮らしのよろず相談所』を目指します。笑

低気圧にやられる

台風14号。
なんだか粘っこい台風ですね。

気圧のせいでなんとなく体調も悪いし、
家に引きこもっているのも息苦しくなり、
晴れ間を狙って散歩へ。

風の音、波立つ湖面、そして最後の力を振り絞る蝉たちの声。
気持ちのいい時間。
家の近くにこの場所があって本当に良かった。

湿り気

現場の定例打合せ。

最寄駅から現場までは徒歩15分程度。
往路はなかなかの坂道続きではありますが、歩いていてとても気持ちのいい景色が続きます。
ついこの前までは現場に着くなり汗が吹き出し、びっしょりになっていたのですが、
この一週間で本当に季節が変わりましたね。
これから竣工までの現場打合せは、気持ちのいいお散歩の時間となりそうです。

線路沿いの静かな道を歩き、川を渡り、雑木林の脇を抜け、
最後に現れるのがこの石階段。

初めてここを通った時には、こんなきれいなニホントカゲとも出会えました。

それにしても、苔というのはどうしてこんなに人の心を魅了するのでしょうね。
この現場は日野市なのですが、青梅とかあきる野とか奥多摩とか、
東京の西側には苔に覆われた本当に素敵な景色が多いんですよ。
もっと大々的に『苔の町』としてアピールすればいいのに…といつも思います。

湿度の高い空気の中にいるのはやっぱり不快なんだけど、
景色でも食べ物でも人の心でも、湿り気を感じるものが好きなのです。
嫌いなものは?と聞かれると「カサカサしたもの全般」と答えるくらい。笑

建築素材の中でも、好きなものと嫌いなものが、割とはっきりあるのですが、
その違いって何なんだろう?と考えてみると、意外と含水量だったりするのかも…
と、今これを書きながら気が付いてしまった。これは大発見かも。

*

現場日記のつもりで書き始めたのに、また違う話になってしまいました。笑
Y邸はすこぶる順調に進んでおり、心配していた建材や機器の納品遅延の影響も受けずに、
予定通り竣工を迎えられそうです。ありがたい。

高台に建つ家は、秋空の下、気持ちよさそうに我が身の完成を待っています。

暮らしの中の身体感覚

世の中がどんどん便利になって、その恩恵も十分享受しているくせに、
便利になり過ぎて人間の感覚が麻痺していくことを憂い、恐怖に近い思いを抱いている。
そう思うならまず自分が少し不便なものを選択して、
肉体的な感覚を取り戻す生活をすればいいだけなのに、
それもやらずに、便利な方へ、楽な方へと逃げてしまいがち。
受け入れることにも抗うことにも消極的な自分に悶々としながら暮らしていることが、
ここ数年感じている、自分自身の中のアンバランスさの元凶なんだろうな、と感じます。

これ、私だけじゃない気がするんですよね…。

*

たしか二十歳くらいの頃だったと記憶しているのですが、
新聞に載っていた、どこかのメーカー(だったかな?)の広告に、
『便利はうれしい 不便はたのしい』
というコピーがあって、ものすごく印象的で気に入ってしまったんですよね。
30年以上前のことだから、今に比べたらまだぜんぜんかわいい『便利さ』だったろうし、
というかむしろ、その頃の便利はすでにもう今の不便に属しそうな気もしますが、
いまだに、座右の銘と言ってもいいくらい、私の根幹にある言葉になっています。

でも。

便利になっていくことに素直に感謝しつつも、
不便を楽しむ、つまりは、自分の体の感覚を意識できるような生活を送っていきたい。
シンプルな願望だとは思うのですが、
そんな風に暮らすには、ちょっと『便利』が底なし沼になり過ぎてますよね。
今って、便利すぎることが現代人のストレスの元になってる気がするのです。

*

やはりこれももう20年近く前の事なのですが、お施主様とガスコンロを選んでいる時に、
これでもか!というくらい便利機能が満載されているコンロを選ぼうとしてる奥さんに、
「そんなもの使ってたらおバカさんになっちゃいますよ」
と言ってしまった事があるのですが(笑)、その姿勢は今も実は変わっておりません。

いろんな意味で、バランスを保つことがとても難しい時代になってしまったけれど、
『便利はうれしい 不便はたのしい』
この言葉をしかと握りしめて、それを実感してもらえる家づくりをしていきたいものです。
その提案に説得力を持たせるためにも、私自身の暮らしも見直していかねばです。
とりあえず、「めんどくさーい」という口癖を直すところからだな…。笑

父と娘

先日の夕方、ちょっと野暮用があり久しぶりに実家へ。
用を済ませ、夕飯をごちそうになって、8時頃実家を出て帰宅しました。

実家へ帰る時は車の事が多く、たまに電車で行くと、
帰る時には必ず父がタクシーを呼んでくれていたのですが、
(帰りはだいたい持たされるお土産で荷物が多くなるので、笑)
先日は、コロナの影響で台数が減っているのか、ぜんぜん電話が繋がらず、
やっと繋がっても、何時に行けるか分からないという回答だったので、
歩いて駅まで行くことにしたのです。

夜にひとりで歩いて帰ることは、確かに今までほとんど無かったのですが、
父が、心配だから途中まで送っていくと言いいだしまして。笑

大した距離ではないんですよ。ゆっくり歩いたって20分足らず。
実家の周りは住宅街なので、たしかに人通りは少ないけれど、真っ暗なわけでもなく、
5分も歩けば幹線道路に出るので、決して危ない道中ではないのです。

「いやいや、むしろ、別れた後のお父さんの方が心配になるから大丈夫だよ」と、
何度も断ったのですが、一度言い出したら引かない父。
観念して、送ってもらう事になりました。

*

父とふたりで並んで歩くなんて、いったいいつぶりなんだろう…。
84歳の父が、52歳の娘を本気で心配して夜道を一緒に歩いているというシチュエーションが、
恥ずかしいやら可笑しいやらなのですが、『あぁ…私は永遠にこの人の娘なんだな』と、
そんな当たり前のことをしみじみ感じる夜の散歩になりました。
大した会話もしなかったけれど、父と並んで歩いたこの5分間の光景は、
この先ずっと忘れられず、ことあるごとに思い出しそうな気がします。
ちょっと幸せな気分になりました。

仲のいい父娘という関係でもなかったし、
ご多分に漏れず、父の事を嫌っていた時期だってあったけど、
歳をとると、いろんなこと、特に家族にまつわる複雑な気持ちが融解していくものですね。

*

それにしても、いまだに毎日8,000歩は歩いているという父の足腰の強さには驚かされます。
下手すりゃ、私よりもスタスタ歩く。笑
見習わねば。

「いつかは世話にならなければいけなくなるかもしれないけれど、
 出来る限り迷惑かけないように頑張って元気でいるから、
 それまでは、お前たちは自分の生活に集中しなさい」
と、いつも言ってくれて、実際に、80歳を超えた両親が元気に暮らしてくれている事が、
どれだけ姉や私の救いになっているのだろう。
その言葉に甘えて、全然親孝行らしい事はできずにいるのですが、
心配かけるのも親孝行のひとつだと思うので、まだしばらくは、
甘えながら、頼りながら、頑張って生きている娘の姿を見せていければと思います。

そういえば、帰りがけにお小遣いを2,000円、父がくれました。笑
52歳…。ホントにこれでいいのか?と思わなくもない…(^^ゞ

 

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